中古住宅購入の流れ

中古住宅(一戸建て)購入の流れ

はじめてマイホームを購入する人にとっては、物件の探し始めから、現地内見(見学)、手付金の支払い、売買契約、住宅ローン選ぶ、購入代金の決済、引き渡しという住宅購入に関わる全体の流れをイメージしにくいことでしょう。

住宅購入においては、買主がやるべきことが多すぎて、わからないのも無理はありません。また、不動産会社の営業マンから詳しくレクチャーを受けられないことも少なくないので、よりわかりづらいと感じるのではないでしょうか。

また、営業マンから教えてもらえたとしても、売りたい人のペースになっていないかと心配する人もいます。実際のところ、担当者次第では売るために有利なことばかり話す人もいますから、もっともな心配だと言えます。

そこで、ここでは、初めて家を買う人向けに、特に中古一戸建て住宅を購入しようとしている人向けに、物件探し・現地見学から購入申し込み、売買契約、住宅ローンの申し込み、残代金等の支払いと引き渡しへ至る流れとそれぞれの注意点を解説します。

中古一戸建て住宅を購入するときの一般的な流れと注意点についてお伝え致します。

中古一戸建てを購入する流れの全体像

最初に、中古一戸建てを購入する流れの全体像を紹介します。ざっくりとした流れをここでイメージできるようになれます。

  1. 不動産会社への問合せと物件の見学
  2. 購入の申し込み
  3. 住宅ローンの仮審査の申し込み
  4. ホームインスペクション(住宅診断)の依頼・実施
  5. 手付金の支払いと売買契約の締結
  6. 住宅ローンの本申込
  7. 住宅ローンの承認
  8. 残代金・諸費用の支払いと引渡し
  9. リフォーム
  10. 入居(引越し)

以上が、中古住宅を購入するときの一般的な流れです。後半にある「リフォーム」は、リフォームしない人なら無視してよいですが、壁・天井の内装材(クロスなど)の貼り替えくらいはする人が多いです。

買主と対象物件によっては、キッチン・トイレなどの水周り設備の交換などをする人も多いですが、その点は物件次第ですから、購入する住宅を決める段階で検討すればよいでしょう。

購入の流れを項目ごとに解説

中古一戸建てを購入する流れについて、項目ごとにもう少し詳しく解説していきます。あなた自身の取引の進捗に応じて、ここに戻って確認しながら進めていくとよいでしょう。

1.不動産会社への問合せと物件の見学

間取図と物件の見学

SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトなどを見て、気になる物件が見つかれば、まずは不動産会社に問い合わせることになります。物件に対する質問があれば、遠慮なく聞いてみることです。それから、現地見学(内見)する流れになりますので、不動産会社と現地見学する日時を調整しましょう。

はじめて見学した物件ですぐに購入すると決めてしまう人もいますが、その時点では見慣れていない状況ですから、複数物件を見学して比較検討することを心がけてください。3物件くらい見学すると、徐々に見学時に見るべきポイントや自分たちが気になるところが分かってくることも多いです。

不動産会社の営業マンより、「自社で全ての物件を取り扱えるので他の業者に行く必要はない」と言われても、他の業者が出している広告を見て問合せしてもOKです。不動産業界では、販売中の物件を共有しきれていないことや、自社で販売している物件を他社に売らそうとしないケースがあるので、注意してください。

2.購入の申し込み

購入したい物件を絞り込んだ後は、不動産会社を介して売主に購入の意思を伝える、つまり購入の申し込みをする段階になります。

住宅購入の申し込みは、不動産会社が用意している買付証明書(購入申込書とも言われる)に、購入希望金額や契約日・引渡し日などの希望を記載した上で証明・押印し、申込証拠金(申込金などとも言われる)を支払うことで行います。

この際に支払い申込証拠金は、10万円程度であることが多いですが、0円ということもあります。

購入申し込みや申込証拠金は、法律等で規定されているものではないため、口頭で申込処理する不動産会社も一部では見られます。

不動産会社は当然ながら営業する立場ですから、決断できず迷っている時などに、「他にも購入検討中の人がいる」などと言って、焦らされてしまうこともありますが、冷静に判断するよう注意しましょう。

売買条件(価格など)について売主と交渉が成立すれば、契約へ進むことになります。

3.住宅ローンの仮審査を申込する

住宅ローンの仮審査

購入の申し込みの直前または同時に、不動産会社から、金融機関(銀行など)に住宅ローンの仮審査(事前審査とも呼ばれる)を申込するように促されることが多いです。これは、住宅ローンを利用して購入する予定の人が、実際に借入することができそうかどうか、簡易的に審査してもらうことで、実際に金融機関で審査するものです。

もし、住宅ローンを利用できないのであれば、売買契約を締結しても無駄な行為となってしまうため、仮審査で融資を受けられる可能性があるか確認するわけです。

不動産会社や担当者、その他の条件によっても異なりますが、購入の申し込みの前に仮審査を行って、融資OKとの結果が出てからでないと申し込みを受け付けないということもあります。

注意点としては、あくまでも仮審査で会って、その結果が絶対ではないということです。売買契約後に行う本審査で承認を得られずに購入できないということもあるのです。

対象物件や購入希望者などの条件次第で融資が難しいと考えた場合、不動産会社から複数の金融機関で仮審査を申し込みするよう勧められることがあります。それ自体は特に問題ないことなので、必要に応じて対応を検討しましょう。

4.ホームインスペクション(住宅診断)の依頼・実施

ホームインスペクション

中古一戸建て住宅においても、建物を長く利用していく以上、その建物の状態については気なるところでしょう。物件によっては、構造耐力や防水などの面において大きな問題(著しい劣化や欠陥)を抱えたまま販売されていることもありますから、購入にはリスクがあるものです。

売主が、その問題を知っているのにきちんと説明してくれていないケースもあれば、売主も気づいていない問題があることもあります。

そういった大きな問題が無いか確認するのが、第三者の専門家であるホームインスペクターによるホームインスペクション(住宅診断)です。調査時に目視できる範囲ではありますが、建物の著しい劣化などの瑕疵の有無を調査してくれます。

この利用は任意ですから、依頼する人とそうではない人がいますが、依頼者はどんどん増えていっています。安心して長く暮らしていくために、想定外の大きな出費を減らすたに役立つとから、依頼者が増えている状況です。

ホームインスペクションは、売買契約の締結前の実施がお勧めです。

5.手付金の支払いと売買契約の締結

売買契約の締結

住宅ローンの仮審査にパスし、ホームインスペクションの結果に問題がなければ、いよいよ売買契約です。

売買契約の直前は、不動産会社から重要事項説明とものが、書面を提示しつつ実施されます。これは、対象物件関する重要な事柄について説明を受ける大事な機会ですら、しっかり聞いておき、不明な点などがあれば、質問して解決しておきましょう。

中古住宅では、売主の契約不適合責任(以前は瑕疵担保責任と言っていた)が免責となっていることもあるため、そういった条件面もきちんと確認する必要があります。

売買契約と同時に、手付金を支払う必要があるので、事前に金額を不動産会社から聞いた上で準備しておきましょう。その金額は、売買価格の5~10%くらいに設定することが多いですが、交渉次第です。

この手付金を支払って、買契約を締結した後、買主の都合で契約解除(解約)するとなれば、その手付金は返金されないため、よく考えてから契約してください。

購入申し込みをしたとき、翌日や2日後などにすぐに契約するよう迫られても、焦らずに対応してください。

6.住宅ローンの本申込

多くの場合、売買契約を締結した後、速やかに住宅ローンの本申込を行うことになります。基本的には、この時点では1つの金融機関に絞って申し込み手続きを行います。

申し込みに際しては、借入人の所得証明や身分証明書、納税証明書などが必要になります。

住宅ローンは、金融機関や商品によって、金利・事務手数料などの条件が異なるため、不動産会社から勧められるままに申し込みするのではなく、よく比較検討して決めてください。

7.住宅ローンの承認

住宅ローンの本申込をしてから、1週間~3週間ほどで審査結果が出ます。時期と地域によっては、金融機関がたいへん混雑していて、3週間超の審査機関となっている事例もあるので、売買契約から引き渡しまでの期間には十分なゆとりをもっておくよう注意が必要です。

ここで、融資の承認を得られない場合、購入を中止するか、他の金融機関に申込するか検討することになります。不動産会社の営業マンとも相談して対応するようにしましょう。

契約前に実施した仮審査で合格していても、本審査では不合格(=承認を得られない)ということもあることを理解しておいてください。

8.残代金・諸費用の支払いと引渡し

中古住宅の引渡し

住宅ローンの承認を得て、引渡し日が近づくと、売買代金の残金と諸費用の支払い(精算)の準備をしなければなりません。この点は、不動産会社からも案内があるでしょう。

一般的に、金融機関による融資実行と売主への残金支払い、不動産会社・司法書士・金融機関への諸費用の支払い、対象物件の引き渡し、所有権移転および抵当権設定の登記申請は同日に行います。

ローンの実行を受けたその場で、次々と支払っていくため、融資を受けた実感もないくらいのスピード感で取引を進めていきます。

住宅ローンを利用する場合は、その融資を受ける金融機関でこれらの手続きを進めることが多いです。

契約前に第三者の専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を利用していない人は、引き渡しを受けたタイミングで実施することも考えましょう。入居して家財道具が大量に入ってしまうと隠れて見られない箇所が増えるので、注意してください。

9.リフォーム

購入した住宅について、何らかのリフォームを計画しているなら、入居する前のこのタイミングで行うことになります。住宅ローンの本審査で承認を得たら、すぐにリフォームの具体的なリフォーム工事の計画(見積り依頼も含む)を進めておくと、効率的です。

また、ホームインスペクション(住宅診断)をしているなら、その結果をリフォーム業者に共有して、補修すべき点についても確認しておくとよいでしょう。内装だけのリフォームのつもりでも、補修すべき箇所を一緒に対応しておくと割安になることもあります。

リフォーム工事の発注に際しては、必ず、複数の業者で相見積りをとるようにしましょう。同じ工事項目・両でも金額差が大きいことが多いからです。

10.入居(引越し)

売主から買主に引渡しを行い、所有権が移転すれば、買主はいつでも好きなタイミングで入居することができます。早めに引越し日を決めて、引越し業者を手配しておかないと、繁忙期や週末は引越し業者の確保が難しかったり、値段が高かったりするので、注意しましょう。

以上が、中古一戸建て住宅を購入する流れですが、いかがでしょうか。中古マンションでもほぼ同じ流れで取引を進めていくのですが、新築住宅では、建築中の物件を買うこともあるので、進め方に違いが生じることも少なくありません。

また、売主または買主のいずれかが買い替えするケースでは、ここで紹介した流れとならないこともあります。たとえば、売主が次に購入する物件が決まるまでは、引き渡しできないといったケースなどがあります。

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