基礎コンクリートの打設は、底盤(スラブ)部分と立上り部分の2度に分けて行う2度打ちが多いです。一部では底盤と立上りを1度で打設する方法を用いていることもありますが、2度打ちが一般的だと認識して良いでしょう。
まずは、底盤部分のコンクリート打設です。打設前に、基礎の外周に沿って、捨てコンクリートに描かれた芯墨又は遣り方の水糸を基にして型枠を設置していきます。
型枠には、木製ものと鋼製のものがありますが、最近は鋼製の型枠の方が多いです(左の写真は木製)。
上の写真は基礎外周に型枠を設置したところで、まだ底盤のコンクリートは打設していません。底盤の配筋の下は捨てコンクリートです。
型枠を設置すれば、コンクリートの打設です。現地に生コンが運ばれてきますが、まずは現場でコンクリートの受入検査を行います。受入検査で問題なければ、いよいよ底盤部分にコンクリートを打設していきます。受入検査については、「基礎工事:底盤部分(スラブ)のコンクリート打設の注意点とチェックポイント」を参照してください。
受入検査は、場所をとるために都市部の狭い敷地に住宅を建築する場合には、実施しづらいという問題もあります。建売住宅では元々やっていないことも多いですが、狭小地の建売住宅では特にやっていないことが多いでしょう。
コンクリートの設計強度は通常21KN/c㎡のレディーミクストコンクリート(工場調合による生コンクリート)を使用し、工場から配合計画書などの書類によりその品質が明示されます。前述した受入検査と相違ないか確認することになります(配合計画書がないことも多い)。
生コンミキサー車から圧送車へ生コンを移し(左の写真)、この圧送車からポンプを使用してコンクリートを打設していきます。
狭い道路などの状況によっては人力やシュート(U型の形状をしたコンクリートを流す大きな樋)により打設する場合もあります。
そのような場合には、その勾配・や長さによっては調合が変化することもあるので、充分な注意が必要です。
打設したコンクリートはバイブレータで締め固めを行います。これは、ジャンカやコールドジョイントなどが出来ないようにするために必要な作業です。これにより、コンクリートが隅々に行き渡るようになり、且つ余計な空気や水分を出すこともできます。
その後は、打設したコンクリートの表面を平滑に仕上げる作業(均し作業)が入ります。この作業には、コテなどを使います。この工程を怠りますと表面にひび割れ(クラック)が生じる可能性が高くなります。
ちなみに、構造部分のコンクリート打設をするときは、原則として雨や雪の日は避けた方が良いでしょう。夏季の炎天下に打設するときは水分の急激な蒸発によるひび割れ(クラック)を防ぐために、適当な散水が必要です。冬季の凍結対策や降雨の際のシート掛けなど、コンクリート打設後の管理も大事です。
基礎の底盤部分のコンクリート打設を完了したら、養生して乾燥させます。しかし、すぐに基礎立上りの内側面の型枠を設置し始めることも多いので、養生シートまですることはあまりありません。
この頃のタイミングで、アンカーボルトを設置します。このアンカーボルトは基礎コンクリートと柱をしっかりとつなぐために必要なもので、13~16mmのものが使われます。アンカーボルトは結束線で配筋に固定します。