基礎工事が完了しますと、次の工程は土台敷きです。土台敷きとは、基礎コンクリートの上に土台や大引を設置していく作業です。基礎も大事な工程ですが、この土台敷きやこのあとの構造部分は住宅の骨組みとなる大変大事な工程です。
まず、現場へ土台や大引が搬入されてきます。今は、プレカット工場で予め加工された材料が運ばれてきます。加工された材料を現場で組み立てるだけだと考えている方もいらっしゃいますが、現実はそうではありません。昔ほどではないものの、現場での作業も多くてミスが起こると欠陥住宅を生んでしまいます。
搬入された土台や大引には、プレカット工場で記号が記されています。「い1」のように、材料に記号が記載されているのです。そして、材料と一緒に持ち込まれたプレカット図を見て、材料との照合をしていきます。現場にもよりますが、「○○様邸」とか建売住宅なら「○○町1号地」のように現場名を記していることもあります。左写真では「ほ又」とあります。
次に、基礎の天端に墨を打っていきます。これを基に土台を敷いていくので大事な作業です。基礎を上から見ると中央部にはアンカーボルトがあるので、墨芯は基礎天端の中央には打てません。少しずらして打っていきます。施工会社にもよりますが、30mmから50mmほどずらしています。
そして、土台や大引をプレカット図を見ながら設置位置へ置いていきます。ひと通り所定の位置へ並べ終えると、間違いないか図面と照合します。
【土台・大引・基礎パッキンの位置は「木造軸組工法(在来工法)の構造と各部の名称」を参照】
さらに、基礎の天端には基礎パッキンを敷いていきます。基礎パッキンは、基礎と土台の間に設置するもので、床下と外部の換気を目的としています。以前は、基礎に換気口(長方形の穴)をあけて換気していましたが、今は基礎パッキン工法が主流です。
ここまでの作業を終えた後に、防蟻処理しておいた土台を基礎に敷いていきます。しっかりアンカーボルトで締め付けて固定します。
そして、大引も設置していきますが、ここでは床束を設置して大引を下から支えます。床束は鋼製のもの(鋼製床束)であることが多く、束と束の間隔は910mmとします(但し、大引はこの後の上棟後に施工することが多い)。