屋根の工事は、上棟(棟上げ)後に行います。まずは、屋根の下地工事を行い、下葺き材(ルーフィングなど)を施工し、最後に屋根の仕上げ工事(スレートなど)へと工事が流れていきます。
では、屋根の下地工事からです。「木造軸組工法(在来工法)の住宅の構造と各部の名称」を見ながら読んでください。
図では、屋根の最頂部に棟木があり、この棟木から軒桁へと垂木が架けられます。この垂木は母屋(棟木と同一方向に架かっている木材)と直交するように架けられていきます。
この写真は野地板を張る前ですが、その後に垂木の上に野地板を釘で貼っていきます。この野地板がスレートや瓦などの屋根材の下地材となります。野地板は構造用合板で、厚さは9mm以上のものを使用しますが、12mmのものを使用することが多いです。
地震に対することを考慮すれば、野地板はできれば千鳥張りが良い(力が分散するので)ですが、千鳥に張られていない現場も多いです。
野地板の施工を終えれば、次は屋根の下葺き材の施工です。下葺き材にも種類がありますが、最近の住宅ではアスファルトルーフィングが使用されることが非常に多いです。この下葺き材は防水シートで、屋根の仕上材から中へ侵入してきた雨水を防ぐためのもので、大変、重要なものです。
このアスファルトルーフィング(防水シート)は、屋根の勾配の下手側から施工していき、上手側のものを下手側の上に重ねるようにします。その重ね代は100mm以上必要です(上下)。逆の重ね方をしてしまいますと、雨水が侵入してしまうリスクがあります。また、左右(横方向)の重ね代は200mm以上です。
屋根の形状等によっては屋根が壁面に接する場合もありますが、その接する壁面の立上り部分は重ね代を300mm以上としなければなりません。
そして、最後に屋根の仕上げ工事です。屋根の仕上材の種類は豊富ですが、昔なら瓦葺でした。最近はスレート葺きの住宅が非常に多く、一部ではガリバリウム鋼板のような金属葺きの住宅もあります。
スレート葺きのときは、、前述したアスファルトルーフィング(防水シート)と同様に屋根勾配の下手側から施工していき、上手側を上に重ねていきます。そのときの重ね代はメーカーの仕様を確認するようにします。