根伐り(掘り方)のチェックポイントは、根伐りの深さや幅が間違いないかという点が基本的なポイントです。
そして、意外と重要なチェックポイントが地盤の再確認です。地盤調査では、敷地内の数か所において局所的に地盤を確認しているのですが、根伐りをした際には実際の地盤の固さや地質を広範囲に再確認することも大事なことです。
上記の写真でも地質の違いがわかりますね。事前に地盤調査をしていても、掘削後に見れば、より鮮明に地質がわかります。スウェーデンサウンディング(SS)式の地質調査は想定(予測)ですので、地盤を掘削した地盤面の状況を知る上で重要な工程です。ちなみに、地盤補強を行わないで基礎を施工する事を直接基礎といいます。
また、根伐り(掘削)したときには地中のガラ(ゴミ)などの有無も一緒にチェックします。大きな石や土管などが出てくることもあります。このような不測の事態に当ってはガラを取り除く事は当然ですが、大量に発生した場合は設計者・施主と協議して、ガラを撤去した後に再度地盤調査を行い、基礎の設計変更が必要な場合もあります。
割栗石(ないことが多い)や砕石を敷き詰めた後には、ランマーで転圧をしていきますが、このときに十分に締め固めされているか確認しましょう。よく地盤調査報告書には、「しっかり転圧したうえで、基礎工法はベタ基礎とする」というような記載を見かけます。この転圧という作業が重視されているのです。
ここでも、根伐りの深さが図面通りであるか確認しておくと良いでしょう。
防湿シートを敷いたときのチェックポイントは、破れ(欠損)箇所や隙間の有無のチェックです。もし、破れている箇所があれば、防湿テープなどを貼れば大丈夫です。
但し、ベタ基礎の場合は基礎の底盤部分(コンクリート)に防湿効果があるので、あまり細かな点を気をしなくても問題ありません。破れなどがあれば、念のために補修するぐらいの感覚でも良いでしょう。布基礎の場合には防湿シートの役割は大事になりますので、慎重にチェックしたいところです。
捨てコンクリート(略称:捨てコン)のチェックポイントは、その工程の有無です。その後の基礎工事を適切に行うための補助的な役割があるため、やっておいた方が良いのですが、一部の建築現場では省略されていることがあります。よって、捨てコンの打設をの有無を確認しておきましょう。
ちなみに、捨てコンは基礎の構造部分ではないので、強度自体は問題ではありません。工事の精度としては、水平に打設できていれば問題ないと考えて良いでしょう。
<チェックポイント>
- 根切りの深さ・幅
- 地盤の再確認(支持力の再確認)
- ガラ(ゴミ)の有無
- 根切り底の転圧(割栗石の設置後の転圧)が十分か
- 砕石の設置後の転圧が十分か
- 防湿シートの貼り方・欠損
- 捨てコンクリートの打設の有無