外壁の仕上げ工事についての注意点とチェックポイントです。
胴縁の設置工事では、通気が確保されているか確認することが大事なチェックポイントとなります。胴縁と胴縁の間に隙間を設けたり、サッシなどの開口部周りと胴縁の隙間を設けたりなどと細かな確認をしていきます。
外壁がサイディング仕上げの場合は、サイディングを胴縁にとめるときに、釘が胴縁をはずしてしまい、防水シートに穴をあけてしまうことがありますが、雨漏りの原因にもなるので、注意が必要です。
また、釘のタッチアップ(塗装)が雑な現場が見受けられるので、この点に注意してほしいと思います。ほかにも、釘が縁に寄り過ぎたり、減り込みすぎたりしてサイディングが割れる場合やひび割れた現場もありました。
最下部(基礎上)の納まりに板金による水切りという物を設けます(まれに設けない業者もあります)が、この水切りにサイディングが近接して通気が遮られる事がないように注意してほしいと思います。水切りが基礎に近接しすぎて基礎パッキンによる床下換気が効果を発揮できない例もありました。
モルタル塗り仕上げの場合は、下地が平滑になっているか、併せてクラックを防止するために下地の補強を丁寧に施工しているかチェックします。下地には木摺や構造用合板が使用されますが、これが平滑に張られている事が重要です。
左官工事は職人の腕にもよりますが、ラスを含めて平滑な下地を施工することがポイントということです。
クラックが入り易い箇所は開口部の四隅の角・出隅及び入隅ですので、これらの部分にラスの増し張りやファイバーメッシュと呼ばれる網状のシートを張って補強しているか確認します。また、出隅は仕上がり面の定規を兼ねてコーナービード(角金物)を設けているか確認します。
サイディングもモルタル塗りも注意が必要なのは、設備用のスリーブ廻りの防水です。 防水紙・ラス・外壁のそれぞれの工程毎に防水テープ・シーリングによる防水が必要ですので、これをチェックします。これらは雨漏りの原因となる箇所ですので、特に注意してほしい箇所です。
設備工事による配管の防水処理も本来ならば建築工事の防水工事として施工される事が良いのですが、住宅会社はこれらを設備工事に含んで発注する事が多くなりました。このために確実な防水とは言えない納まりが見られるので、しっかり確認しなければなりません。小口径の配管で外壁の表面に雑なシーリングをしただけの現場もあるので、要注意です。
チェックポイント
通気層の適切な確保
- 下地処理
サイディング仕上げの場合
- サイディング取り付け時の釘の位置やずれ
- 水切りとサイディングの間隔
モルタル塗り仕上げの場合
- 下塗り
- ラス網(ダブルラス)
- 開口部の4隅でのラス網の2重張り等の補強
- 上塗り