不動産会社の方で売買契約書を作成しましたら、次は売買契約です。その契約の直前にすべきこと、注意点から順に見ていきます。対象物件は、新築・中古を問わず、一戸建てやマンションです。
5.買主が売買契約書を契約前に確認
買主は売買契約の当日にはじめて出されて契約書を見て、もしくは説明を受けて、その内容を理解することはできるでしょうか。それは無理があるというものです。専門知識を有する契約書の確認作業は契約の当日ではなく、前もってしておくことが重要です。
不動産会社に対して、前もって売買契約書と重要事項説明書の写しを出してもらうよう要望し、契約日よりも前にじっくり読んでおきましょう。そして、不明点があればできるだけ整理して不動産会社へ質問しておくとよいでしょう。
このとき、第三者の専門家に売買契約書をチェックしてもらう方法もあります。専門的でわからないときや不動産会社の対応が心配なときなどには検討するとよいでしょう。ただし、書類を預けてから2~3日はかかりますので、早めに打診しておいたほうがよいです。
ちなみに、買主から不動産会社へ要望しないことには、不動産会社から積極的に売買契約書を事前に見せてくれないことが多いため、ただ待っていてもいけません。必ず、自分から「売買契約書と重要事項説明書を先に確認させてほしい」と伝えなければなりません。
6.手付金や必要書類の準備
売買契約の際に支払う手付金を金融機関から出金するなどして準備しておかなければなりません。手付金以外にも契約時に使用する収入印紙の印紙代も必要になるため、何かが必要であるか不動産会社に確認してから準備するとよいでしょう。
他に用意が必要となる可能性のあるものとしては、身分証明書・実印・印鑑証明書・住民票などが考えられますが、契約時に住宅ローンの申込手続きもするかどうかなど、状況によって異なるため、これについても不動産会社に聞いておきましょう。
7.重要事項説明書を見ながら説明を受ける
その取引(売買)において大事なこと(対象物件に関すること等)を記載した重要事項説明書を不動産会社が交付し、それを見ながら重要事項の説明を受けます。これは必ず売買契約よりも前に実施することが義務付けられているため、不動産会社からその日程の連絡があるはずです。
ただ、売買契約よりも前であればよいため、契約日の前日以前に実施するのではなく、同日の契約直前に実施することが非常に多いです。丁寧な対応のできる不動産会社であれば、契約の前日以前に時間をとって説明してくれることもあります。
8.売買契約の締結・手付金の支払い
ここでようやく売買契約の締結です。契約は不動産会社の事務所や販売事務所で実施することが一般的です。なかには買主の希望により買主の自宅で実施することもありますが、稀なケースです。
売買契約書の内容について説明をうけ、互いに納得すれば記名・押印して契約の成立です。このときに、手付金を支払うことになりますが、必ず領収書を受領するようにしてください。また、手付金を契約時に持参して現金で売主へ渡すのではなく、事前に振り込むように要請されることもあります。
手付金を振り込んでから契約するまでにタイムラグが生じるのは買主にとっては、あまり好ましくありませんが、大きな現金を持ち歩く怖さもあるため、この点は自分で判断しましょう。振り込む場合でも、できる限り売買契約の直前(前日など)とすることをお奨めします。
不動産会社や売主によっては、売買契約の翌日の振込でもよいとすることもありますので、相談してみましょう。
9.住宅ローンの申込(本申込)
売買契約を締結すれば、住宅ローンの申込手続きへと移ります。引渡しが数カ月以上も先の取引であれば、それほど急がずにこの手続きをすることもありますが、そうでもなければ、契約後速やかに申込手続きを始めることになります。
希望する金融機関の融資申込書などの必要書類に記名・押印し、必要書類(収入証明書など)を提出して審査の結果を待つことになります。売買契約の当日にこの手続きをすることも少なくありません。
これ以降の流れについては、「住宅購入の基本的な流れ」も参考にしてください。