売買契約を結ぶ場所とクーリングオフ

クーリングオフという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

クーリングオフとは、一度契約したものの、後から消費者がその契約を解除できるという制度です。但し、このクーリングオフができる取引には制限があります。たとえば、訪問販売で購入したものについてはクーリングオフができます。

実は、住宅の売買においてもこのクーリングオフができるのです。売買契約をしてから8日以内であれば、消費者から一方的に契約解除できるので、契約してしまってから後悔したときには、活用できる可能性があります。

クーリングオフすれば、違約金や損害賠償金を支払う義務もありません。そして、契約時に支払った手付金も返金してもらうことができます。このことは、宅地建物取引業法で規定されています。

しかし、実際にはこのクーリングオフを住宅の売買において実行するケースはほとんどありません。その理由は以下のような条件があるからです。

  • 売主が宅地建物取引業者(=宅建業者=不動産会社)であること
  • 不動産会社の事務所等で契約した場合はクーリングオフできない

たとえば、建売住宅を不動産会社から購入する売買契約を買主の自宅で行った場合には、クーリングオフできると説明を受けた日から8日以内であれば、これにより契約解除することができます。

不動産会社にしてみれば、契約してもクーリングオフされる可能性があっては困ります。売る側にとっては、むしろリスクとも言えます。それだけに、クーリングオフができない条件下で契約することが一般的です。上記にあげた2つの条件のうち、「不動産会社の事務所等で契約を行う」ことでこれを回避しています。

自宅におしかけてきて、無理に迫られて契約したようなときには、クーリングオフできるようにしようとの趣旨ですから、不動産会社の事務所等へ買主が出向いて契約する場合にはクーリングオフできないわけです。事務所「等」となっていますが、現地の販売事務所も条件によってはこれに該当することもあります。

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