ずっと住むのか、住み替えるのか

住宅を買うとき、将来、買った家に住み続けるのか、または住み替えるのか考えているでしょうか。日本では、新築で購入した住宅がその後、どんどん価格が下がっていき15年後、30年後などに売却しようとしても、買った価格の半値にもならないということは少なくありません。

築20~30年で建物の価値は0円だと言われるほどです(実際には、居住できる住宅の建物の査定価格が0円になるケースは稀ですが)。

家族構成・環境の変化がある

購入した住宅で生活している間に、子供が生まれたり、親と同居したり(地方から親を読んで同居する方もいる)して部屋が足りない、狭いということもありますし、逆に子供が育って出ていったり親が無くなったりして家が大きすぎるということもあります。

他にも家を買ったら転勤になったという話を聞いたこともあるでしょう。そして、あまり考えたくありませんが、離婚して状況が大きく変わるということもあります。

こういった様々な環境・状況の変化に応じて、将来的に家を手放す(売却する)可能性はあります。売却とは限らず、賃貸に出すということもあります。マイホームを売るにしても貸すにしても、多くの方にとってはじめに買う時点でこういったことまで考えておいた方がよいでしょう。

不動産の資産価値が大事

冒頭で、新築で買っても中古で売るときには大きく価格が下がるということを書いています。しかし、全ての物件が同じような下落率ということではありませんし、思いのほか価格を維持している物件もあります。

大きく値下がりした場合には、個人資産のロス(失う資産)が大きくてご家族の将来設計に大きく影響するものです。資産価値がそれほど下がらない物件であるかどうかは、よく検討して購入判断したいものです。

どういった住宅であれば、資産価値が大きく下がらないのか挙げてみます。

  • 駅から近い・徒歩圏(地域によって駅からの距離・時間に対する感覚が異なる)
  • スーパー・病院・学校との距離・利便性
  • メンテナンスやリノベーションのしやすさ
  • 構造・躯体がしっかりしている
  • 築15~20年を経過した中古物件(とくに一戸建て)

上記を見ると利便性という点は非常に大きいです。

郊外の駅から遠い住宅地は、人口減少が進んで行く日本では厳しくなるでしょう。購入しやすい価格帯でマイホームを取得可能ですが、将来的には価格を下げても売れないという街、物件も出てくるでしょう。今でも、首都圏でありながら1,000万円未満で売れない物件は多数あり、不動産会社も積極的に扱ってくれないというケースも見られます。

こういった物件を買ってしまって、将来、使用しなくなっても固定資産税などの維持費がかかってしまい、実質的にはマイナスの資産を持ち続けるということにもなりかねません。空き家問題が注目されていますが、将来のあなたの所有不動産がそうなる可能性もありうるわけです。

これからの住宅は、利便性のよい立地、人気のある立地で、かつ建物の構造・躯体がしっかりしていて適切にメンテナンスやリフォームをすることで長く住むことのできるものが所有者にとってプラスの資産となりえるでしょう。

中古住宅でも今ほどに、新築からの価格下落なくなる時代がやってくるとも言われていますが(異論も多い)、1つの方法としては既に大きく価格が下落している物件を狙うのもよいでしょう。新築後しばらくは価格の下落が大きいですから、築後15~20年後ぐらいを経過した物件は候補として考えてよいでしょう。

それでいて前述したように、構造・躯体がしっかりしていれば、まだまだ長く居住することも可能です。もちろん売却するときも値下がりによって失う資産もそれほどのものではないですし、賃貸したときには利回りがよいこともあります。

将来のことも考えた住宅購入と言う意味では、「立地・構造躯体」に重点をおき、さらに中古物件の購入も視野にいれるとよいでしょう。ちなみに、構造躯体がしっかりしているかどうかは、専門家の住宅診断(ホームインスペクション)を利用することでよいアドバイスを得られます。

ホームインスペクションのアネスト

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第三者の一級建築士が、住宅購入・新築時などに建物の施工ミスや劣化具合などを調査する。新築(建築途中および完成物件)・中古住宅に対応。安心してマイホームを購入できる。