主に都心部で大人気となっている高層マンションですが、価格帯が高くて購入に踏み切れない人も多いでしょう。また、高層マンションを購入するときに、どういった点に注意すべきかわからないという意見もよく聞きます。
そこで、購入する前に確認しておきたいチェックポイントや注意点を紹介します。
高層マンション購入は修繕が大事な注意点
高層マンションはタワーマンションとも呼ばれるように、その高さを活かした眺望やステータスが最大の魅力ですね。一度は住んでみたいと憧れる方も多いのではないでしょうか。一方で、いくつかの高層マンション特有のデメリットもあるため、この点に注意してよく検討してから購入されるとよいでしょう。
高層マンションのデメリットの1つとして、修繕費用の高さが挙げられます。マンションにおいては、修繕は資産価値や将来のコスト負担の面でも非常に重要なもので、不適切な長期修繕計画であっては将来が非常に心配されます。
修繕とは、劣化した部分の補修工事などのことですが、高層部分の補修工事などは低層部分に比べて費用が高くなります。よって、維持修繕費用の高さが高層マンション(タワーマンション)のデメリットと言えます。
新築で購入したとして、その後、年を追うごとに引き上げられることの多い修繕積立金ですが、各住戸の皆さんのこの負担が大きくなるということです。
国土交通省が出している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」においても、20階建て以上の高層マンションにおいては修繕積立金を高めに計算するようになっています。
ちなみに、修繕コストは高層かどうかだけではなく、マンションの規模(総床面積・総戸数)や駐車場の種類(機械式の駐車場はコストが高い)によっても大きく影響をうけます。よって、「高層」以外の要素にも注意しましょう。
高層マンションではエレベーター問題に注意
高層マンションの代表的なデメリットとして、エレベーターの問題があります。日々の生活レベルで言えば、エレベーターの待ち時間が長くなる傾向にあることです。毎朝、時間にゆとりをもった行動が出来ない方にはつらいこともあるでしょう。
広告へ表示されるような「駅徒歩3分」や「駅直結0分」というような表示は、あくまでマンションの敷地から駅までの時間であり、それぞれの住居の扉を出たところからの時間ではありません。
住居を出てから、もちろんエレベーターを利用して1階まで降りるわけですから、その時間について考える必要があります。高層マンションのエレベーターの待ち時間は時として、意外なほどに掛かるものです。
電車でもないのに、ピーク時には、エレベーターにも混雑があり、エレベーター待ちに時間をとられることになります。勤務先のエレベーターで経験のある方も多いのではないでしょうか。
各階に止まりながら降りていくエレベーターに乗り損ねると、次に来るまで待つのは大変です。複数台のエレベーターがあるからと言ってすぐに自分のもとへやってくるわけではありませんし、かといって、階段で降りていくにも、結局は時間がかかりすぎるだけでしょう。
エレベーター待ちで電車に乗り遅れて会社に遅刻、なんてことにはなりたくありませんね。
「そんなことのないように、早めに出ればいい」と思うでしょうが、その時点で、広告で売りにしているような「駅徒歩○分」の駅近のメリットは薄れています。
ちなみに、広告に表示される所要時間は80mの距離を1分で歩く計算です。信号待ちや、踏切といった待ち時間が計算されないように、エレベーターの待ち時間ももちろん計算されていませんので、実際に住居を出たところから駅までを計ってみる必要がありますね。
「駅に直結の超高層マンションなのに、ホームまで行くのに10分以上かかることも多い。長くかかる時間に合わせて毎朝、家を出なければならない、、、駅から徒歩5分のマンションの方が早いし安かった」というお話もあるのです。
また、こうなってくると心配なのは非常時です。大地震などの災害が発生した場合、エレベーターではなく、もちろん避難階段を利用しての避難となります。
あなたの住居が45階にあったとすればいかがでしょうか?
実際に東北大震災の際には東京の超高層マンションやビルでは、停止したエレベーターの問題が注目されました。もちろん、揺れの恐怖についてもデメリットとしてわかっておくべきことですが。
また、大きな災害でなくとも、エレベーターがしばらく動かない状況となった際に、45階まで階段で上ること、または下りることを想像してみてください。そこに怪我をした家族やお年寄りがいたら?・・・・
屋上にはヘリポートがあっても、火災の時にどれだけ役に立つかは疑問視されています。エレベーター問題が高層マンションのデメリット、注意点の1つであることはわかっておきましょう。
金利上昇時のタワーマンションに要注意
超高層マンション購入のデメリットは、物件そのものに関することだけではありません。ここで注意しておきたいのは、住宅ローンの金利の上昇リスクです。
マンションは工事に着手してから完成するまでの工期が長く、1年を超えることが多いです。規模が多きものほど長く、高層マンションも工期が長いことが多いです。超高層マンションともなれば、工期が2年を超えることも珍しくありません。
新築マンションを完成してから購入する方であれば、そのときの住宅ローン金利を確認して返済計画・資金計画を考慮して判断すれば問題ないでしょう。しかし、建設中に購入する方が多いため、売買契約をしてから完成するまでに1年以上という方は非常に多いです。
この期間中に経済動向が変わり、金利が上昇してしまい、当初考えていた返済計画がマンションの完成時点には崩れていたなんてことも実際に起こりえるのです。金利の上昇リスクは考えておかなければならいことだと言えるでしょう。
金利の上昇期においては、このことは非常に大きなリスクとなります。マンションの完成を待つ、その間に、金利が上がってしまうのです。毎月返済額が1万円以上増えたり、最終的な総返済額が数百万円も増えたり、、、
これでは、当初に立てていた返済計画に無理が出てきますね。上昇後の金利に対応できる予算であればいいのですが、当初からギリギリの予算での購入だった場合(これ自体問題ではありますが)入居してすぐに生活苦になることもあり得ます。
このようなリスクは、高完成までの期間が長ければ長いほど、そのリスクが高いのはお分かりいただけるかと思います。
超高層マンション(タワーマンション)にもいろいろある
「超高層マンション」とか「タワーマンション」などど聞けば、高級マンションだというイメージをお持ちの方も多いようです。芸能人や政界の方などが住んでいるという噂もタワーマンションなどが多いですよね。
超高層マンションはやはり高価格帯であることは多いです。高価格帯だからと言って、
「高級」であるわけではありません。価格の割には、「アレッ?」と思うものも実際多いのです。価格は高いものの仕様が低いというものもあるのです。
一般的に賃貸用に建設されているマンションの方が分譲マンションより仕様レベルに劣ることが多いですが、高層分譲マンションのなかにも賃貸仕様と変わらないレベルのものを見ることがあり驚きます。価格に見合っていないのではないかと感じるマンションです。
仕様レベルの落とし方にもいろいろありますが、多くの方が見てわかりやすいキッチンやバスなどの設備の仕様を落とす場合と、一般の方が見てもわかりにくい構造部分の仕様を落とす場合があります。
モデルルームでは、高級なインテリアに目が行きますし、設備や内装がオプション仕様であることが多いです。何も構造上の不安があるというわけではありませんが、マンションの性能が劣るわけです。
すべての高層マンションがそのような高価格、低仕様のわけではありませんが、そのようなことも頭に入れながら、よく見極めて購入を判断しましょう。
高層マンションのメリットにばかり目が行きがちですが、是非とも、デメリットも理解した上でよりよい買い物をしてほしいと思います。