都市部のマンションでは、敷地の広さにゆとりがないために、駐車場が機械式になっていることが多いです。この機械式の駐車場は非常にコストがかかるものですから、十分に注意しておかなければなりません。
一般的には、マンションの駐車場はその使用者から使用料(駐車場料金)を月額で徴収しています。その駐車場料金(収入)で駐車場のメンテナンス費等を全て賄うことができれば一番良いのですが、それが出来ていないマンションは多いです。
分譲マンションは周辺よりも安い相場で管理組合員(マンションの所有者)に駐車場を貸していることが多いですが、そういったことも理由の1つとなって駐車場料金(収入)だけで機械式駐車場の修繕費・メンテナンス費を賄うことができず、修繕積立金から負担することになっていることが多いです。
そこで、機械式駐車場のあるマンションを購入するならば、以下の図(国土交通省による「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(平成23年4月)」より)を参考にして修繕積立金が不足していないかチェックする必要があります。
上図は機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費です。これを専有面積で按分して負担することが一般的です。例えば、3段(ピット2段)昇降式の機械式駐車場が60台あり、購入する住戸が75平米、マンション全体の占有面積の合計が9,000平米だとすれば、以下のようになります。
6,040円 × 60台 × 75平米 ÷ 9,000平米 = 3,020円
この数値を「修繕積立金はいくら必要か?積立金額の目安と注意点」で算出した15,450円に加算すれば、18,470円となります。修繕積立金のみでこれだけの金額になるのですから、なかなか高額です。実際に支払う7,500円との差額が大きくて、不足の大きさがわかります(わかりやすいように少し極端にしていますが、十分にありうる事例です)。
機械式駐車場なのに、他のマンションより毎月の修繕積立金が少ない場合には、十分に注意した方がよいでしょう。