家づくり(注文住宅を建てる)をする上でよく問題となることの1つが、設計図書の作成と建築工事請負契約のタイミングです。
アネストにホームインスペクション(住宅検査)サービスをご利用いただく方から、
「間取図しかないですが契約しても大丈夫ですか?」
との質問をよくいただきます。
答えは、「ノー」です。
請負契約とは、こういう住宅を建ててくださいね、という契約です。
どういう住宅なのかは、間取り図だけではとてもではないですが、イメージできません。
どのような住宅を建てるのか、できるだけ詳細に確認してから請負契約を結ぶ必要があります。
では、その詳細はどのように確認すれば良いのでしょうか?
やはり、最も良いのは設計図書で確認することです。例えば、木造住宅であれば以下のものが挙げられます。
- 建物概要・設備概要
- 仕様書
- 内部仕上げ表
- 敷地配置図
- 各階平面図
- 立面図
- 断面図
- 矩計図
- 平面詳細図
- 基礎伏図
- 各階床伏図
- 小屋伏図
- 軸組図
- 電気設備図
- 給排水設備図
- 金物配置図
- 建具リスト
- 壁量計算書
しかし、現実的にはこれらの全てを請負契約の前に入手するのは非常に困難です。
施主(住宅の注文主)、工務店、ハウスメーカー、設計事務所など、それぞれの立場で考え方が異なるからです。
工務店やハウスメーカーから見れば、請負契約を交わす前の段階でこれらの設計図書を作成することはリスクとなります。設計にはそれだけの労力やコストがかかります。上記の全てを揃えるとなりますと、大きなコストがかかるわけです。
請負契約の前、つまり契約するかどうか未定の施主のために、そのリスクを負えないと考えることが多いのです。
施主側にすれば、どのような住宅が建つかどうかわからないので、契約しづらいです。つまり、利害が対立しています。
これは、ほぼ全ての注文住宅の取引に言えることです。建売住宅であれば、既にプランが決まっているので、設計図書が揃っていることもあるのですが。(建売住宅でも会社によってはなかなか設計図書をもらえないこともある)
さて、ではどうすれば良いのでしょうか?
なかなか難しい問題ではあるのですが、現実的な落としどころを考えてみましょう。
できれば、請負契約の前に以下の設計図を用意して欲しいものです。
- 建物概要・設備概要
- 仕様書
- 内部仕上げ表
- 敷地配置図
- 各階平面図
- 立面図
- 断面図
最後の断面図は難しいこともありますが。これで十分か?と聞かれると十分とは言えないのですが、
今回はあくまで落としどころとして、、、
そして、この場合に大事になるのは、上記のなかの仕様書や別途、用意しておくべき「打合せ記録」です。
契約前にできる限りしっかりと打ち合わせを重ねて、施主の希望を伝え、できる・できないを確認したり、施工者側の提案を聞いたりして、詳細を詰めていくのです。
ここは非常に大事な作業と言えます。注文住宅の成否のカギを握ると言っても過言ではないでしょう。
その打ち合わせた結果を打合せ記録として残したり、仕様書に反映してもらったりするわけです。また、平面図や立面図などに書き込んでもらうという方法も有効ですね。
もちろん、そのうえで、これらを反映した見積もり金額を確認したうえで請負契約を結ぶことになるわけです。見積書の確認も大事ですね。
家づくりを上手く進めるために、上記のことはしっかり実行しましょう。