新築・リフォームの追加工事のトラブル

住宅の新築やリフォーム、リノベーションの見積書に関するトラブルや営業トークについて取り上げます。

依頼した追加工事費用の過大請求に注意

新築工事でもリフォーム工事でも、工事中に追加工事や変更工事を依頼する人もいます。追加や変更をするときに注意すべき点を知っておきましょう。

追加工事の発注前に見積りをとる

工事中に追加工事や変更工事を依頼する場合は、必ず見積りをとらなければなりません。金額に納得して合意してから正式に発注しないとトラブルになる確率が高くなります。口頭で金額を聞くだけではなく、書面で提示して頂くようにしてください。

施主の反応を見ながら追加費用を請求する

追加工事分として提示された金額が適正であるかどうかわからず、言われるままに支払う人もいますが、こういった人はさらなる被害にもあいやすいです。

悪質な業者である場合、施主がきちんと金額を確認しないとわかった途端にどんどん追加工事を提案してくることがあります。深く考えずに依頼し続けると、後からとんでもない金額の請求が来て困っている人もいますから注意が必要です。

追加や変更工事が生じたときに、都度、きちんと金額を確認する姿勢を見せることで、業者の対応もかわってくることでしょう。施主が予防線を張ることも大事なのです。

何にいくら支払ったか不明

トラブルになってから相談を受けたケースでは、建築中に何度も何度も少しずつ建築費を支払っているという事例があります。

当初の契約から追加や変更があり、中間金を含めていろいろな支払いをしてきたものの、どの工事に対していくら支払ったのか把握できておらず、過大請求されているのではないかと疑念を持っているという相談です。建築会社側も1つ1つの請求に関して、見積書や請求書の明細がないことから、詳細を具体的に説明することはできず、誰にも何の代金かわからない事態になっていました。

言われるままに支払うのではなく、その都度、見積書と請求書を提示してもらい、その工事内容を確認して理解してから支払うことが基本です。追加工事や変更工事が増えるほど、複雑になりますから、面倒でも確認しながら進めてください。

避けられない追加工事(補修工事)もある

追加工事や変更工事は、施主と建築会社の意思疎通をしっかりしながら進めないとトラブルになることが本当に多いです。できれば、追加や変更を生じさせないように、着工前に詳細を打ち合わせておきたいものです。

しかし、リフォーム工事においてはどうしても追加や変更工事を避けられないこともあります。壁や天井を解体したときにはじめてわかる建物の不具合がありうるからです。たとえば、天井を解体したら、それまで見えなかった個所に雨漏りしていて柱などの構造部が腐食していたという事例です。

大事な構造部分が腐食しているので、その補修は必須事項なのですが、当初の予定に入っていないために当然ながら見積り金額から変更が生じます。予備費を見積もっている場合でも、その想定を超えることだってあります。

雨漏りに限らず、結露がひどい場合でも補修対象範囲が広範囲となり、工事費の追加が大きくなることがあります。シロアリ被害もそうです。

やむを得ない補修工事が生じたときには、先に工事を進めずにきちんと見積りを取り直して、金額や工事内容に合意してから進めなければなりません。

ただでさえ、工事着手後に追加される補修工事費用は、割高な請求をする業者もあるぐらいですから、見積りの確認は必須です。

見積り期限を利用した営業トーク

見積書には期限が記載されています。その見積書の有効期限です。その日を過ぎれば、その見積りは無効となるわけですが、営業マンは、この見積りの有効期限を営業トークで利用することがあります。

見積書の多くには、値引き欄があります。会社によっては、キャンペーン価格として表示していることもありますね。「有効期限が過ぎてしまえば、その値引きやキャンペーンが無効になり、価格が上がってしまいますよ」というのです。

営業をするうえで、施主に決断を促すきっかけがある方が便利ですから、これはよく使われる手法です。実は施主にとっても決断しやすくなるというのはメリットと言えることもあります。

但し、焦ることで冷静な判断できなくなることがありますから、きちんと早めに複数の業者から相見積もりをとって比較検討するように心がけてください。

ホームインスペクションのアネスト

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