2016年(平成28年)は住宅の買い時か?
毎年のように、今年は住宅の買い時か?というテーマについて議論されますが、マイホーム購入を考える人にとっては、興味深いテーマであるのは変わりませんね。
2016年(平成28年)は住宅の買い時でしょうか?
住宅金融支援機構が公表した「平成28年度における住宅市場動向について」によれば、調査対象となった一般消費者のうち61.9%もの人が、住宅の買い時だと回答しました。どちらとも言えないとの回答は31.7%で、買い時ではないと消極的な回答をした人はわずか6.4%となっていますから、なかなか鮮明な調査結果が出たものです。
買い時だと回答した要因のトップは、「今後消費税率が引き上げられるから」となっており、ついで「住宅ローン金利が低いから」が続いています。
住宅購入において、消費税の引き上げが強く影響することは今までの増税のときを思い返せば明らかです。消費税の増税前には、必ず住宅購入の前倒しが生じています。また、住宅ローンの金利は総支払額に大きく影響することですから、当然に住宅購入者の関心が高いものです。
消費税と住宅ローンは、住宅の買い時を判断するうえで、消費者の間では重要なポイントになっています。ただ、その考えが正しいのかどうかは検討してみなければなりません。
まずは消費税です。今の時点では、消費税の引き上げは決まっているものの、増税の延期の可能性がなくなっているわけではありません。
また、前回、5%から8%へ上がったときにも勘違いしている人が多かったのですが、消費税は個人間売買にはかかりません。つまり、個人が売主の中古住宅を購入する場合、消費税はかからないのでこの増税はもともと無関係です。
中古住宅でも不動産会社が売主となっている物件もありますが、それは消費税の対象となります。物件によっては消費税がかからないことはよく理解したうえで判断したいものです。
次に住宅ローンの金利です。購入するとき、住宅ローンを借りるときに金利が低い方がよいのは当然です。金利の低い今がチャンスだと考えるのは間違っていません。ただし、金利が今後、急激に上がると予想しているのであれば急ぐ必要があるのですが、しばらく低い金利が続くだろうと予測するならば、急いで住宅を購入する理由にはなりません。
さきほどの「平成28年度における住宅市場動向について」でも、しばらく住宅ローン金利が上がらないだろうと考えて、買い時ではないと回答している人もいます。
消費税の動向や住宅ローンの金利をどう予測するかによって、買い時かどうか考えが変わるということです。
ところで、この「平成28年度における住宅市場動向について」では、ファイナンシャル・プランナーの回答も公表されています。金利動向などについて、知識もある人が多く含まれていることから、参考になるかもしれません。
平成27年度に比べて平成28年度が買い時だと回答したファイナンシャル・プランナーの割合は68.6%です。その理由として、住宅ローンの金利をあげた人は100%です。個人的には、なぜ「平成27年度と比べて」と余計な条件が付いているのか不思議ですが。純粋に平成28年度が買い時かどうか、ファイナンシャル・プランナーの意見を聞きたいものです。
住宅の買い時かどうかを判断するときには、売買価格の動向にも目を配る必要があります。売れ行きがよいときは、価格が上がる傾向にあります(立地などにもよる)。2014年の消費税増税後、あまった住宅の値下げが行われて、かえって安く買えたという事例は少なくありません。
これから、住宅の買い時だとするニュースなどが増えるかもしれませんが、踊らされず冷静に考えてください。
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