地震保険7つのポイントと加入率!
2016年4月に起こった熊本地震、1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災など日本人は多くの巨大地震を経験してきました。その度に、大地震が私たちの日常生活に大きな影響を与えることを目の当たりにしています。
しかし、地震への備えとして地震保険がありますが、内容をきちんと理解されている方は少数派かもしれません。今回は、地震保険7つのポイントと加入率について見ていきましょう。
≪ 地震保険7つのポイント ≫
まずは、地震保険の成り立ちに触れておきましょう。1964年に新潟で大地震が発生し、新潟や山形など日本海側を中心に甚大な被害が及びました。
そこで、新潟出身であり後に総理大臣となる故田中角栄氏が、地震への補償が必要であることを強く訴え、大地震から2年後の1966年に「地震保険に関する法律」が制定されるに至りました。今年は2016年ですので、この法律が制定されてから50年の節目を迎えています。
次に、地震保険7つのポイントを確認しましょう。
①単独で加入できない…火災保険とセットで加入することになります。
②建物・家財が対象 …火災保険と同じように補償対象は建物と家財になります。
③50%までの補償 …地震保険の保険金額は、原則、火災保険金額の30%~50%の割合で設定します。
④保険期間 …1年or5年の期間で設定し更新していくことになります。
⑤政府と損保会社が運営…どこの損保会社で加入しても商品性や保険料は同じです。
⑥地震保険料 …地域や建物の構造によって保険料が違います。
⑦地震保険料控除 …地震保険料を支払うと税金の負担が軽減されます。
≪ 地震保険の加入率 ≫
それでは、地震保険加入率の推移をご紹介します。
(図1:地震保険世帯加入率)
(出典:日本損害保険協会)
(図2:新規地震保険加入率)
(出典:日本損害保険協会)
図1は世帯加入率になりますが、年を追うごとに上がり続け、2014年度は28.8%となっています。
また、図2は年度中に契約された火災保険に地震保険が付帯されていた割合ですが、こちらも年を追うごとに上がり続け、2014年度は59.3%と約6割の方が地震保険に加入したということになります。
<まとめ>
日本は地震大国と言われていますし、東海地震や南海地震が起こる可能性が高いこともよくメディアで取り沙汰されています。ほとんどの方は火災保険に加入されていると思いますが、地震・噴火・津波による火災の損害は火災保険の対象外であることも覚えておきましょう。
地震保険加入率が年々上昇し、地震への備えを考える方が増加している昨今ですので、地震保険へ加入されている方は内容を確認し、加入されていない方は一度地震保険加入を検討されてみるのも良いのではないでしょうか?
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<執筆者>
・執筆者:長谷剛史
・所属会社:長谷ファイナンシャルプランナー事務所
・主な資格:ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)、住宅ローンアドバイザー
<執筆者のプロフィール>
住まい・資産運用・保険3つの分野に強いファイナンシャルプランナー。ライフプランを中心とした総合的な観点からアドバイスを行う。