中古住宅購入でチェックすべき築年数と住宅ローン控除
中古住宅を購入する人にとって、検討する物件の築年数は気になるところでしょう。築年数によっては「古すぎるのではないか」「建物の劣化がひどすぎないか」などと考えるのは検討する人たちの共通の悩みでしょう。
住宅ローン控除と中古住宅の築年数の関係
築年数という視点では、住宅診断(ホームインスペクション)を利用することで1つの有効な判断材料となりますので、その利用を検討するとして、建物の古さや劣化具合だけで検討せずに、他の視点でも考えてみるとよいでしょう。
そこで注目したいのは、住宅ローン控除と中古住宅の築年数の関係です。
住宅ローンを利用して住宅を購入する人は、所得税・住民税の控除を受けることができます。住宅購入の1つの動機になることもあるほど大事な制度で、住宅ローン控除や住宅ローン減税などと呼ばれています。
新築に関わらず中古住宅の購入でも控除を受けられるのですが、築年数や構造によってはこの住宅ローン控除を受けるために手間がかかったり、控除を受けられなかったりということもあるため注意が必要です。
住宅ローン控除を受けるための諸条件は「住宅ローン控除(住宅ローン減税)の内容と必要書類、手続き」を見て頂くとしまして、築年数に関することだけここで説明します。
築年数が20年を超える住宅である場合、耐震診断を受けて耐震基準適合証明書を取得するか、既存住宅瑕疵保険に加入して瑕疵保険付保証明書を取得しなければなりません。ちなみに、耐火建築物(鉄筋コンクリート造や一部の鉄骨造が該当することが多い)である場合は25年を超える場合です。
たとえば、木造住宅であれば耐火建築物ではないため、築20年以内の物件であれば、耐震基準適合証明書や瑕疵保険付保証明書を取得するまでもなく、住宅ローン控除を受けることができます。20年を超える場合に取得すべきこれらの書類は、現場で診断をして基準に合格しなければならないのですが、容易にクリアできるものではないため、不合格となる物件も少なくありません。
住宅ローン控除は、借入額や年収などの条件にもよりますが、総額100万円単位で減税されるものですから、できれば条件に合致する物件であってほしいものです。
中古住宅の築年数を考えるうえでは、住宅ローン控除のことも考慮して、築20年をラインとして検討するのも1つの考え方です。
築20年の住宅は建物価格の面でメリットがある
しかし、一方で築20年の住宅には建物価格の下落が落ち着いている時期であるという大きなメリットもあります。
住宅価格のうち建物価格については、新築時が最も高くて、その後は徐々に下がっていくという流れが日本の住宅市場の典型です(個別物件によっていろいろなケースがある)。古くなるにつれて値下がりするのですが、築20年程度になると建物の値下がり幅が小さくなるため、市場動向の影響を強く受けやすく、タイミングによっては売買価格が値上がりすることもあります。
時期や物件によっては、築20年で買った住宅が築25年で売却したら値上がりしたということが現実におきるのです。
築20年は住宅ローン控除の面や価格の面から大きな分岐点とも言えますね。
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