新築住宅の引渡し後に施工ミス(不具合・欠陥)を発見した時の対応方法

どのような住宅でも施工上のミスが生じる可能性はあるものです。新築住宅を購入して引渡しを受けてから、施工ミス・不具合に気づく人も数多くいます。本来ならば、引渡しを受ける前に丁寧にチェックしておくべきことですが、引渡し後に発見したときにどのように対応していくべきかご紹介します。

新築住宅の引渡し後・入居後に施工ミスが見つかることもある

新築住宅では、引渡しを受ける前に建物の完成状態を購入者(注文建築なら施主)が施工ミスや欠陥工事がないかチェックするはずです。しかし、そのチェックでも気づかずに引渡しを受けた後や入居後しばらくしてから何らかの不具合などに気づくこともあります。

引渡し前に見つかったことであれば、引渡しを受ける前に補修してもらい、補修後の確認もしてから引渡しを受ける流れとなりますが、引渡し後に施工ミス等に気づいた場合にはどのように対応すべきでしょうか。正しい流れを理解しておき、対応のミスが起こらないようにしましょう。

 

引渡し後に施工ミス(不具合・欠陥)を発見した時の正しい対応方法

それでは、新築住宅の引渡し後に施工ミスを発見した時の対応の流れと注意点を順に説明していきます。まずは、対応の流れについてです。

施工ミスを発見した後の対応の流れ

実際に施工ミスを発見したときは、原則として以下の流れで進めることを理解してください。

  1. 売主または建築会社へ連絡する
  2. 売主または建築会社が現場確認に来る
  3. 売主または建築会社から対応方法(補修の可否や補修方法)を確認する
  4. 補修工事を行う
  5. 補修工事の完了後の状態を自ら確認する

 

上の流れを無視してしまうと補修対応をしてもらい難くなることもありますから、注意してください。それぞれの詳細は以下で説明します。

対応(1)売主または建築会社へ連絡する

施工ミス、もしくは施工ミスと思われる症状を発見したときには、まずは業者へ連絡しなければなりません。建売住宅を買ったのであれば売主へ、注文建築を建てたのであれば建築会社へ連絡する必要があります。

対応(2)売主または建築会社が現場確認に来る

売主や建築会社は買主(または施主)から連絡を受ければ、まずは現場を確認しにくるはずです。現場で実際に症状を見なければ、対応する内容などを判断することもできません。日程を調整して早めに見てもらうようにしましょう。

対応(3)売主または建築会社から対応方法(補修の可否や補修方法)を確認する

売主や建築会社が現場を見た後、補修の可否や補修方法について説明があるはずです。施工上のミスや問題ではなく、保証・フォローの対象外の事象であれば対応してもらえないこともありますし、有償での対応となることもあるでしょう。

無償で対応する内容であれば、補修方法などについてしっかり確認しましょう。工事規模や内容によっては、書面で補修方法を提示してもらうことも大事です。軽微な補修ですむことであれば、最初に現場確認にきたときに補修して帰ることもあります。

対応(4)補修工事を行う

補修工事は互いの日程を調整して行いますが、工事内容によっては数日間の期間を要することもあります。その場合、工程を書面で提示してもらった方がよいです。

対応(5)補修工事の完了後の状態を自ら確認する

補修工事が完了すれば、完了後の状態を自分で確認するようにしましょう。補修が完了したことを確認した場合には、署名や押印を求められることもありますが、工事が完了したことに合意するものですから、工事に納得していれば署名等の対応をしましょう。

施工ミスを発見した後の対応の注意点

引渡し後に発見した施工ミス・不具合などについては、先に示したような流れで対応していくものですが、その過程でいくつか注意すべき点があります。それが以下の5点です。

  • 傷・汚れは原則、対応外である
  • 勝手に自分で補修しない
  • 写真撮影と該当場所の確認
  • 補修中・補修完了後の確認を売主・建築会社任せにしない
  • 施工ミス等の問題次第では専門家の力を借りる

この注意点を理解しておかないと、補修等の交渉が難航したり、トラブルになったときの対応で不利になったりすることがありますから気を付けてください。

傷・汚れは原則、対応外である

新築住宅ですから、買主や施主の気持ちとしては傷や汚れがあればきちんと補修・清掃してほしいと考えるのはよく理解できることです。しかし、こういった指摘については、引渡し前にしなくてはなりません。

その理由は、引渡し後であれば、売主と買主のいずれが付けた傷や汚れであるか判断することが困難だからです。

傷や汚れは人によって感じた方に大きな違いがあり、多少のことなら何とも思わない人もたくさんいますし、非常に細かな点まで補修等の対応を求めたいと考える人もいます。細かな対応まで求めたいのであれば、なおさら引渡し前にチェックして指摘しておかなければ対応してもらえない可能性が高いです。

また、引渡し前の時点で指摘しなかったことについては、引渡し後に指摘しても対応しないという書面を交付し、買主や施主がサインしていることも多いです。

勝手に自分で補修しない

施工ミスなどを見つけたときに非常に重要な注意点と言えるのが、この「勝手に補修しない」ということです。ちょっとしたことであれば、自分で対応できそうだからと考えて補修してしまう人もおりますが、原則としてそれはオススメできません。

症状や被害状況を売主や建築会社に見せて、状況を正しく理解してもらわないと適切な対応をしてもらえないリスクがありますし、また買主側で行った補修に問題があるなどと主張されてしまうこともあります。契約でも、補修する前に売主等へ見せることと明記していることも多いです。

写真撮影と該当場所の確認

補修工事が始まってから、または補修工事が完了してから揉めることもありますから、施工ミス等を見つけた段階ですぐに写真撮影して記録を残すようにしましょう。売主や建築会社が現場確認に来る前に撮影しておいた方がよいです。

現場確認に来た際に確認作業の一環で現状を変えてしまうこともあるからです(悪意が無い場合も含めて)。

また、症状によっては後から見たときに症状がわかりづらいということもありますから、該当場所がわかるようにしておくと便利です。例えば、光の当たり具合によって見えやすい染みと見えづらい染みということもあります。ひび割れなんかもそうですね。

特に複数個所ある場合はわかりづらいですから、場所をメモしておくなどの対応を考えましょう。

補修中・補修完了後の確認を売主・建築会社任せにしない

軽微で簡単な補修工事であれば、補修工事中の確認までそれほど気にしないでよいこともありますが、工事内容によっては補修中や補修完了後の状況を現地で確認しておくべきです。売主や建築会社から説明を受けつつ現場で確認してください。

また、補修完了時点で隠蔽される箇所については、事前に写真も撮っておいてもらうとよいでしょう。自分で立ち会えるときには、自ら撮影するのもよいでしょう。この写真は問題が再発したときなどに役立つことがあります。

施工ミス等の問題次第では専門家の力を借りる

建築上の施工ミスというのは、一般の人の知識や経験だけでは対応方法の良し悪しはわかりづらいものです。施工ミスではないかと感じて指摘したものの、「それは問題ない」などと返答されることも多いですし、不備を認めて補修する場合でもその補修方法が適切なものか判断できないことも多いです。

確実に軽微な工事でよいものであれば自己判断でもよいかもしれませんが、内容によっては一度、第三者の専門家に住宅診断(ホームインスペクション)してもらうことも考えた方がよいです。それにより、問題が大きな場合は補修工事中や補修完了後の立会い検査もしてもらえるか確認して依頼することも考えましょう。

 

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