新築住宅の地盤調査や地盤改良工事のタイミング
これから住宅を新築しようというとき、大事な工程の1つとして地盤改良工事や地盤補強工事があります。地盤改良や地盤補強は全ての住宅において実行されるものではなく、地盤調査で地盤が弱く、計画している建物を支えるのに十分でないと判断されるときに行われるものです。
購入前に地盤改良や補強工事の必要性がわからない
しかし、日本は地盤が弱い地域が多く、地盤改良や地盤補強は当たり前のように行われています。地盤調査をして改良や補強が必要だと判定さる土地や住宅を購入することは誰にでもありうることです。
これから買おうとする新築住宅が本体工事に着工する前であれば、契約する時点ではまだ地盤改良や補強工事を行うかどうか決まっていないことがあります。土地を購入して注文住宅を建てようというときも、土地の購入時点では地盤改良や補強工事の必要性がわかっていません。
そういったとき、買主としては売主や建築会社に対して地盤改良・補強工事の有無を確認したくなるものです。
しかし、この確認は難しいものがあります。
土地の購入前に地盤改良工事や地盤補強工事の必要性が明確になっていない理由は、建物のプランが確定しないと地盤調査をする地点も決められないからです。
では、なぜ建物プランが確定しないと地盤調査する地点を決められないのでしょうか?
建物プランが決まらないと地盤調査する地点が決められない
それは、1つの土地のなかでも地盤調査の結果にばらつきがあるからです。
例えば、30坪(100平米)程度の面積の土地であれば、建物プランにもよりますが、その土地内の5ポイントで地盤調査を行います。仮に建物の形状が、真上から俯瞰して四角形であれば、その4隅(コーナー部分)と中央付近の5ポイントで地盤調査を行うことになります。
そして、地盤調査結果を確認してみると、5ポイントのそれぞれで異なる調査結果が出るのです。地盤の強度に多少の違いがある程度ということもあれば、土地の手前の方と奥の方で全く異なる調査結果が出てくることもあります。
調査するポイントによって結果が大きく異なることがあるため、実際に杭工事などを行う可能性の高い箇所で地盤調査をしなければなりません。
そのため、建物をその土地のどこに配置するのか、どこに建物の隅(コーナー部分)がくるのか、どこにより大きな荷重がかかるのかといったこともわからずに、地盤調査をしても、建物プランが確定してから再調査しなければならないこともあるのです。
地盤調査から地盤改良・補強の流れ
- 建物のプランを確定させる
- 地盤調査を行う
- 地盤改良や地盤補強のプランを確定させる(必要なとき)
上記が一般的な流れです。ときには、地盤の状況を参考として把握するため、地盤調査を先に行い、プランの確定後に再調査するという流れもあります。
建物プランを決めるということは、凡その建築費も決めるということです。しかし、その後の地盤調査で想定以上に地盤改良費用がかかることになれば、計画を変更しなければならないこともあります。地盤改良に100万円単位の費用を要することもよくあるので、予算コントロールをよく考えながら建物プランを検討しなければなりません。
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