決算月の9月は新築住宅・リフォームの引渡しに要注意

もうすでに9月に入っていましたね。住宅業界で働く人たちのなかには、頑張らないといけない月だと認識している人も多いでしょう。理由は単純に、多くの会社にとって決算月だからです。

決算月は、住宅業界に関わらず、会社や個人の成績に関して会社で話題にもなるでしょう。営業担当者には、成績次第で上司からの圧力を感じる人もいるのではないでしょうか。これは住宅・不動産業界でも同じ、いや平均的なものよりも強い圧力かもしれません。

決算月は買主や施主が悪影響を受けることもある

住宅の購入者やリフォーム・リノベーション工事の発注者にとっても、この9月という決算月は影響を受ける人も少なくありません。

新築住宅でもリフォーム・リノベーションであっても、売上を計上する月は対象物件の引渡し月です。完成した建物を買主や施主に引渡して、代金を頂戴したときに売上と計上することが一般的です。営業担当者の個人成績として確定される日と言ってもよいでしょう(契約時に計算することもあるが、解約もある)。

会社の業績や営業担当者の個人成績が、その期の目標に届いていない場合、決算月は追い込みをかけなければなりません。強引な営業行為も生まれやすいのですが、買主や施主がそれ以上に注意しなければならないのは、強引な引渡しです。

購入した新築住宅が最後まで完成していないにも関わらず、強引に引渡そうとする事例が多発するのが、この9月です。ちなみに、この種のトラブルは決算月に生じやすくなるため、会社によっては他の月ということもありますが、3月や9月が決算月である会社が非常に多いです。

リフォームやリノベーション工事においても、完成していない状態で無理に引渡そうとする事例がありますので要注意です。

未完成住宅の引渡しを受けるリスク

未完成の住宅の引渡そうとする行為自体が、十分におかしなことですが、買主や施主にとっての主なリスクを知っておくとよいでしょう。

未完成住宅の引渡しを受けるリスク4点

  • 完成前に売主や建築会社が倒産するかもしれない(完成しないままになる)
  • 引渡し後、工事がより遅くなり完成が大幅に遅れることがある
  • 代金を支払った途端に対応が悪くなる
  • 補修すべき箇所を補修してくれない

主なリスクとして上記4点があげられます。このなかでも、「代金を支払った途端に対応が悪くなる」「補修すべき箇所を補修してくれない」に該当する事例は非常に多く、代金を支払った後だけにのらりくらりとかわされることも多いです。

未完成住宅を引渡そうとするだけで十分におかしなことですから、その時点でその会社や担当者は信用でいないものです。その信用がない会社に対して完成してもいないのに、代金を全額支払ってしまうことはリスクが高いですね。その結果として、前述したように対応が悪化したり、補修してくれなかったりといった問題が多発するのです。

買主や施主の都合で引渡しを受ける場合

未完成であるにもかかわらず、買主や施主側の都合により引渡しを受けたいというケースもあります。契約で取り決めた引渡日までに完成しなかった場合によくあることですが、これは工事が遅れたからですね。工事が遅れた原因が売主や建築会社側にあるのであれば、できれば代金全額を支払わずに残しておき、完成を確認してから支払うようにするべきでしょう。

引渡しに関するトラブルはいつになっても多いですから、関連する以下のコラムも読んでおいてください。

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