建売住宅購入の予備知識(売主が買主を選ぶ)
マイホームを取得するとき、建売住宅を購入する人は非常に多いですが、そういった人が知っておいた方がよいことがいくつもあります。そのなかから、建売物件の売主が買主を選ぶことがあるという話をします。
建売物件の売主が買主を選ぶとはどういうことか
住宅購入は、買主が買いたい物件を選ぶものですから、売主が買主を選ぶというとピンとこないかもしれません。ここでいう「売主が買主を選ぶ」とは、ある物件に対して購入を希望する買主が複数いる場合に、購入希望者のなかから誰に売るかを売主が選ぶという意味です。
ある建売物件の購入希望者が複数いる場合の話ですね。そして、同時期に購入を希望する人が複数いる状況に生じるものです。
売主が売りたい相手(買主)
それでは、売主が選ぶ買主とはどういう人でしょうか。
売主が売りたい相手としては、以下の人が該当します。
- 住宅購入資金について全く心配ない人
- 住宅購入資金についてそれほど心配ない人
- クレームを言わないであろう人
- 売主の言うこと・要望を受け入れてくれそうな人
上記についてもう少し詳しく見ていきましょう。
住宅購入資金について全く心配ない人
住宅の購入に必要な資金(購入代金や諸費用)を全て現金で用意する人は、住宅ローンの融資を受ける人よりも売主にとって良いお客様だと考えられがちです。融資を受ける人はその審査にパスしなければ購入中止となることがあり、それを売主にとっては売却の機会損失と考えるのです。
売主とすれば、確実に売れる買主が最も優先したい人なのです。
住宅購入資金についてそれほど心配ない人
住宅ローンを利用するものの、大手有名企業に長く勤務していて、頭金も十分に用意しているなど、勤務先・勤続年数・自己資金・年収などの条件が住宅ローンの融資審査に有利だと考えられる人も売主が売りたいと考える買主です。
クレームを言わないであろう人
住宅産業はクレーム産業だと昔から言われていますが、物件見学・購入申込などの流れの中で、あまりクレームを言わない、細かなことをあまり気にしないなどと感じる人を優先しようとすることがあります。
但し、この点は建売住宅の売主が直接に営業行為を行っているときにわかるものであり、仲介業者を介している場合はこの情報を得にくいため、それほど影響しないことも多いです。
売主の言うこと・要望を受け入れてくれそうな人
取引のこと、物件のことなどは契約書や仕様書・図面などで書面化されているものですから、売主が無茶苦茶な要求をするという前提の話ではありませんが、何か取り決めのないことやトラブル、意見の相違などが生じる湖とは住宅売買ではよくあることですから、そういったときに売主の要望を受け入れてくれそうな人を良いお客様と考えるケースがあります。
おかしな表現になりますが、丸い人がいいと考えることもあるのです。
ここにあげたことは、全ての売主や物件で共通するわけではありませんが、十分にありうることでもありますから、頭に入れておくと良いでしょう。
住宅購入は早い者勝ちが原則
売主が買主を選ぶことがあるとお話しましたが、住宅の購入は、原則、早い者勝ちです。最初に購入申込した人が優先的に売主との交渉権を持つことになります(法的に拘束されるわけではありません)。
同じ日に購入申込した人がいる場合は、同時とみなされることが多いですが、別の日であれば、1日でも早い方が優先なのです。
とはいえ、先に申込した人が値引き交渉をしたとき、後から購入申込した人が値引きを要求しなければ後から申込した人に売ることもあります。しかし、このときでも、後から申込した人が値引きを希望していないので、どうするか?(値引きせずに買うか?)との確認が先に申込した人に入ることが一般的です。
建売物件の売主が後から現れた買主に売ることもある
「住宅購入は早い者勝ちが原則」で述べたことは、不動産業界のマナーのようなものです。法的に拘束されているわけではありません。よって、この通りにならないこともあるのです。
先に購入申込した人が値引き等の要求をせずに買うと売主へ伝えたにも関わらず、後から購入を希望した人に売ってしまう事例が一部で見られます(多くは無い事例です)。
購入条件(価格等)が同じである場合、売主が売りたい相手を申し込み順序を無視して選んでしまうというケースです。後から申込した人が住宅ローンを利用せずに全額現金で買うからという理由で、このような判断をしたわけです(事例によっては他の判断理由もある)。
先に申込した人にとっては納得できないことですが、こういうこともありうるので、契約するまでは気を抜かないでおきましょう。
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