中古住宅購入で失敗しないための内見するときのチェックポイント
不動産ポータルサイトやチラシを見て、気になる中古住宅の物件情報を見つけたら、不動産会社に問合せして現地に内見へ行くことでしょう。いくつもの中古物件を見ていくことになるはずですが、初めて内見する物件に対して、いったいどこを見ておけばよいか理解していますか?
中古住宅の購入で失敗する人は、初めて内見するときの対応から誤ってしまっていることも少なくありません。内見を有効で意義あるものとするため、そして住宅購入で失敗しないための内見時のチェックポイントを解説します。
希望条件に一致しているかどうか
内見に行けば、多くの人がその物件の内装や外装の見た目の綺麗さは確認しています。それ以外にチェックしておくべきポイントは、マイホーム探しの希望条件に合致したものであるかどうかの確認です。条件に一致しているか確認すべき主なチェックポイントは以下のものです。
- 建物面積と各部屋の広さの実感値
- 間取り図との整合性
- 立地・環境
これらについて詳しく見ていきましょう。
建物面積と各部屋の広さの実感値
その物件の内見が初めてであっても、事前にチラシやインターネットなどで間取り図は見ていることでしょう。その間取図の横の欄には、建物面積(延床面積)が記載されていませんか?つまり、面積は事前の資料で確認できるはずです。また、間取り図には各部屋の広さが「6帖」「9.5帖」などのように記載されていることが多いです。
建物面積も各部屋の広さも間取り図などの資料で内見前に確認できているはずですね。
しかし、内見時にチェックしておきたいのは、実際の部屋の広さです。同じ6帖という記載であっても、物件によって実際の広さは異なっています。間取図を作成する担当者が割とアバウトに数値を入力していることもありますし、そもそも各部屋の寸法を細かく計測している不動産業者は稀です。
実際の広さの確認方法は、今、お住まいのお部屋の広さとの比較が1つの物差しとなります。「今の家と同じ6帖でも随分と狭く感じる」といった声を聞くことは少なくないですが、実際にずれがあることは多いのです。
必ず、各部屋で実感値を確認してください。わかりづらい場合は、メジャーで大まかな距離を計測しておいて、帰宅してから計算してもよいでしょう。
間取り図との整合性
先に挙げた「建物面積と各部屋の広さの実感値」も間取り図と現地の整合性の確認と言える作業ですが、他にも間取図と現場の整合性を確認しなければなりません。
驚かれるかもしれませんが、間取り図が実際の間取りと一致していないというケースは決してごく稀なに起こることではありません。これまでに何度となく、そういった事例を見てきました。
売主が新築当時の設計図を残している場合は、そのコピーを資料に使用することが多いですが、設計図が残っていないときなどには不動産業者が現地確認の上で間取り作成ソフトなどを利用して間取りを描いています。この作業の過程でミスをしてしまっているわけです。
たとえば、以下のような事例があります。
- 扉の開閉方向が間違っている
- トイレの便器の向きが間違っている
- 扉やサッシ(窓)の位置が間違っている
- 和室が洋室となっている
- 床下収納庫が無いのに間取り図に記載されている
- クローゼットや廊下収納が明らかに実際よりも大きく描かれている
- 普通車が置ける広さではないのに普通車のイラストが描かれている
また、逆に間取り図には記載のないプラスの情報が内見時に確認されることもあります。例えば、以下のような事例です。
- 階段下に間取り図にはない大きな収納がある
- 洗面室に間取り図にはないリネン庫があった
- ロフトがある
- 間取り図で和室となっていたが洋室だった(洋室が好ましい人にとって)
- ベランダが間取り図で受けた印象より相当広い
プラス材料もマイナス材料も内見時にはしっかり確認しておき、相違点は間取り図に書き込むなどして忘れないようにしましょう。
立地・環境
内見するときは、対象の住宅そのものだけではなく、周囲の環境についてもチェックしておくべきでしょう。近所に住んでいてよく知っている地域である場合を除いて、現地とその周辺を歩いて確認してください。
駅まで徒歩15分圏内で探していたのに、歩いてみると20分以上もかかったというケースもあります。これでは希望条件に一致していませんね。ちなみに、駅から物件までのルートを朝・晩の2度は歩いておきたいものです。お子さんの通学ルートも確認しておいた方が良いでしょう。
駅・学校・スーパー・病院までの距離に希望があるならば、それぞれの施設まで実際に歩いてルートと所要時間を確認することをオススメします。
また、時間帯や曜日によっては、騒音・異臭が問題となることがありますから、何度か周辺確認に行ったり、ご近所の人の意見も聞いたりしたいものです。近くに喫茶店などがあれば、休憩がてらお店の人に聞くのも効果的な方法です。
気になる症状の有無をざっくりと確認する
内見時のチェックポイントにおける大事な点は、建物に何か問題がないかどうかをざっくりと見ておくことです。建物の専門家でもなければ、きちんと住宅を診断することはできませんが、素人なりに見ておくことも大事なことです。
基礎・外壁
建物の外側から、基礎や外壁を見ておきましょう。基礎にひび割れがないか、外壁にもひび割れがないか、外壁の継ぎ目にひび割れがないかといったことは必ずチェックしておくべきポイントです。
また、基礎や外壁、軒裏に染みがないかどうかも見ておきましょう。漏水か何かの不具合の可能性もあるからです。玄関ポーチがある場合には、そのポーチ上の屋根の下側(天井面)も確認して染みがないか見ておきましょう。
室内の壁・天井
建物の内部では、各部屋で壁のひび割れや染みの有無を確認してください。特にサッシ周りは入念に確認すべき重要なポイントです。
また、天井の確認も大事です。人は自分の目線より上方向への意識が低くなりがちなのか、壁の上部や天井の異変を見逃しがちです。住宅診断(ホームインスペクション)の依頼を受けて現地入りしてすぐに天井の染みが目に付くことがありますが、依頼者である買主は3度の内見でも気づかなかったということもありました。
リビングや寝室、子供部屋などに限らず、廊下や洗面室などでも確認しなければなりません。
点検口の有無
住宅診断(ホームインスペクション)の依頼をお受けするとき、お客様に「床下や屋根裏に点検口はありましたか?」と質問したとき、半数以上の人が「さぁ、どうだろうか」といった回答をします。普段の生活のなかで気にすることのない箇所だけに意識していないのは無理もありません。
点検口の無い家であれば、今までに点検していない家ということでもありますから、あまり良い条件ではありません。内見の際には、点検口の有無、どこにあるのかといったことまで含めて確認しておきましょう。以下は、よく点検口が設置されている箇所の説明です。
床下点検口
最も多いのは1階に台所があるときに、その台所の床にある床下収納庫が点検口を兼ねているケースです。床下収納庫の蓋を開けて、その中にあるボックスを外せば収納になることが多いです。
洗面室やクローゼットの床に床下点検口が設置されていることもあります。また、和室の畳の下に点検口が設置されていることもあります。それまで居住していた売主が、点検口の位置を把握していれば教えてもらうことができますが、全く知らずに何年も暮らしていたというケースも多く、売主に聞いただけではどこに点検口があるのかわからないこともあるのです。
屋根裏(小屋裏)点検口
最上階の収納(クローゼット等)の天井のどこかに点検口があることが多いです。収納の広さを確認するついでに天井面も見て点検口の有無を見てみるとよいでしょう。
ロフトがある住宅の場合、ロフト内の壁面に点検口があることも多いです。ロフトのある住宅ならば、その内部へ上がって確認しておきたいものです。
気になる症状があるときは専門家に相談する
自分なりに建物全体をチェックして、何か気になる症状があったならば、第三者の専門家に住宅診断(ホームインスペクション)を依頼することも考えましょう。何らかの症状に気づけるとは限らないだけに、本来ならば売買契約の前には専門家に診てもらいたいものです。
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