新築の購入前とホームインスペクションの基礎知識

マイホーム取得を希望する人のなかで、新築一戸建て住宅を購入したいと考えている人は多いでしょう。中古住宅の売買件数が増えていくと言われていますが、新築住宅の取引は非常に多いです。

そして、その新築住宅を購入するタイミングで利用されることが多くなっているホームインスペクションが注目を浴びています。今では、住宅購入とホームインスペクションは切れない関係とも言えるほどの状況で、中古住宅だけではなく、新築の購入者も利用者が多いです。

そこで、新築の購入前に知っておくべき基礎知識とホームインスペクションを利用する前に知っておくべきことを紹介します。

新築住宅購入前に知っておくべきこと

多くの人によってはじめての新築住宅の購入です。住宅購入には投じる資金が大きいため、リスクもあるのは当然です。そこで、はじめて新築を買う人が知っておくべき最低限の基礎知識を紹介します。できれば、購入前に読んでおいてください。

新築住宅のメリット

新築住宅には、多くのメリットがあります。まず、最新の設備や性能が整っていることが大きな魅力です。中古住宅に比べると、耐震性や断熱性、省エネ性能が高く、最新の建築基準に適合した住宅であることが多いです。これにより、長期間にわたって快適かつ安心して暮らせます。

次に、住宅の劣化や修繕の心配が少ない点もメリットです。新築住宅は、未使用のため建物の傷みがなく、初期費用以外のメンテナンスコストを抑えられます。また、住宅メーカーによる保証制度が充実しており、万が一のトラブルにも対応しやすいのも利点です。

さらに、新築の注文住宅であれば、自分好みにカスタマイズできる点も魅力です。間取りやデザイン、設備を自由に選べ、理想の住まいを実現できます。建売住宅でも最新のトレンドを反映した設計がされていることも少なくないので、快適な生活が可能です。

また、住宅ローン減税や補助金などの優遇制度が活用しやすいこともポイントです(中古住宅では条件次第で優遇されないことも多いです)。政府や自治体の支援策を利用することで、経済的な負担を軽減できます。

このように、新築住宅は設備・性能・保証の面で多くのメリットがあり、長期的に安心して暮らせる選択肢と言えます。

注文住宅と建売住宅の違いとは?

新築住宅には「注文住宅」と「建売住宅」の2種類があります。

注文住宅

注文住宅は、建築会社(工務店)やハウスメーカーと相談しながら自由なプランで設計・施工できる住宅です。間取りやデザイン、設備などを細かくカスタマイズできるため、自分や家族のライフスタイルに合った家を建てられるのが大きなメリットです。ただし、設計から施工まで時間がかかり、費用も建売住宅より高くなる傾向があります。土地は、自分で用意する必要があります(土地の購入も含めて)。

建売住宅

一方、建売住宅は、売主が企画・建築した住宅を購入するスタイルです。原則として、土地と建物がセットで販売されるため、注文住宅に比べて価格が明確で、完成物件を契約する場合は、購入後すぐに入居できる点が魅力です。ただし、間取りや設備を自由に選べないため、こだわりたい人には不向きな場合があります。

どちらがよいかは、個々の考え方や事情によって異なります。自由度やコスト、時間など、何を重視するのか検討した上で考えてください。

建売住宅の購入の流れ

建売住宅を購入するときの一般的流れは以下のとおりです。

  1. 予算(自己資金+住宅ローン)や希望エリア・条件の検討
  2. 物件探し(SUUMO等の不動産ポータルサイトなどの活用と現地見学)
  3. 購入の申し込み(不動産購入申込書の提出と申込金の支払い)
  4. 住宅ローンの事前審査(仮審査)
  5. ホームインスペクション(住宅診断)
  6. 重要事項説明と売買契約の締結と手付金の支払い
  7. 住宅ローンの本審査・金銭消費貸借契約
  8. 物件の引き渡し前の現地確認(内覧会/竣工検査)
  9. 残金決済(住宅ローンの融資実行とその他の支払い)・登記申請・引き渡し
  10. 引っ越し

注文住宅の建築の流れ

注文住宅を建てるときの一般的流れは以下のとおりです。

  • 土地の準備(購入・相続などで取得)と資金計画
  • 建築会社(ハウスメーカー)の選定(モデルハウスの見学など)
  • 間取り等の打ち合わせ
  • 住宅ローンの事前審査(仮審査)
  • ラフプランと概算見積りの確認
  • 建築会社と建築工事請負契約
  • プランの確定
  • 住宅ローンの本審査
  • 着工
  • 完成
  • 物件の引き渡し前の現地確認(内覧会/竣工検査)
  • 残金決済(住宅ローンの融資実行とその他の支払い)・登記申請・引き渡し
  • 引っ越し

プランの確定、工事見積りの確定などは、ケースによって前後することも多いです。

新築でもホームインスペクションは必要?

新築の家を買う人、建てる人の間で、第三者の専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を利用する人が多くなりました。インスペクションがどういうものか知らないという人や、本当に必要か迷うという人向けに、インスペクションの必要性と基礎的なことを紹介します。

「新築=安心」は本当か?

新築だから安心だ、大丈夫だ、といった声を聞くことがある一方で、新築の引渡し後などのタイミングで、施工不良の問題に悩んでいる声を聞くことも多いです。新築は、新しいので著しい劣化が無いというだけであって、施工不良が無いというわけではありません。

よって、「新築=安心」と決めつけてしまうことのないようにしましょう。個々に診ていくといろいろな物件があるものです。

新築でも欠陥が見つかる理由

新築住宅において施工不良(=欠陥)が見つかる理由は、大きく分けて以下の4点です。

  • 建築技術者(職人など)の知識・経験の不足
  • 現場監督や工事監理者が適切に管理・監理業務を遂行していないことが多い
  • コスト削減を優先しすぎている
  • 法律等に基づく検査制度が適切に機能していない

いずれか1つでも欠けると、欠陥住宅になってしまうリスクが高まるので、これから新築を買う人はこの業界の現状を理解しておきましょう。

ホームインスペクションとは?

建築士などの建物のプロが、建物の施工状態や劣化状態を調査するサービスがあり、ホームインスペクションや住宅診断と言われています。新築向けのホームインスペクションでは、建築工事の途中や完成後のタイミングで、施工不良の有無を検査しています。

その検査で施工不良が見つかれば、売主や建築会社に指摘して補修してもらうことができ、安心を得られるサービスとして利用者が多くなっています。

ホームインスペクションのアネスト

ホームインスペクション(住宅診断)

建物の劣化状態、施工ミスを一級建築士がホームインスペクターとして調査する。購入判断や建物のメンテナンスなどの参考となる。アネストは、全国の広域で経験・実績が豊富。

ホームインスペクションを依頼するタイミング(契約前・建築中・引き渡し前)

新築戸建て住宅のホームインスペクション(住宅診断)を依頼する適切なタイミングには、主に以下の3つの段階があります。

建築中

建築途中の段階でインスペクションを依頼すると、基礎や、構造躯体、断熱、防水工事、下地材など完成後には確認しづらい部分を検査できます。特に、基礎配筋や構造躯体の金物、断熱、防水は大事なチェックポイントです。

引き渡し前(竣工検査時)

完成後、引き渡し前のタイミングで依頼すると、そのときに目視できる範囲において、施工不良を発見できます。床下や屋根裏のインスペクションまで依頼することで、大事な構造・断熱なども確認してもらうことができます。

引き渡し後・引っ越し前

引き渡し前でもホームインスペクションを依頼することは可能です。ただし、入居して家具・家電・荷物があると確認できない範囲が増えるため、引っ越し前のタイミングで依頼することが推奨されます。

オススメのタイミングは、建築中です。ただし、既に完成後、または完成間近の場合は、完成後・引き渡し前でもよいでしょう。

まとめ:ホームインスペクションを活用して安心できる新築住宅を手に入れよう

新築住宅であっても、施工不良が見つかる物件は多いです。技術の継承や人材不足などの関係で、知識や経験の不足、適切な業務遂行をできないといった問題が生じて、施工不良が起こりやすい環境となっているからです。

第三者のホームインスペクションを依頼することで、そういった施工ミスを発見して補修工事などの対応を求めることができるため、利用が広まっています。後悔しないために、新築物件の購入前や引き渡し前などのタイミングで利用を検討するとよいでしょう。

ホームインスペクションのアネスト

ホームインスペクション(住宅診断)

建物の劣化状態、施工ミスを一級建築士がホームインスペクターとして調査する。購入判断や建物のメンテナンスなどの参考となる。アネストは、全国の広域で経験・実績が豊富。

ホームインスペクションのアネスト

ホームインスペクション
第三者の一級建築士が、住宅購入・新築時などに建物の施工ミスや劣化具合などを調査する。新築(建築途中および完成物件)・中古住宅に対応。安心してマイホームを購入できる。