住宅診断(ホームインスペクション)でのチェックポイントを写真とともに詳しく解説していきます。

第1弾は、中古物件の購入時に多くの方が心配している床下や土台などで見られるシロアリ(白蟻)のチェックについてです。

住宅にとって怖いものの1つがシロアリ(白蟻)であることは皆さんがご存知の通りです。建物の寿命を縮める(耐久性が落ちる)こともありますが、被害がひどければ構造的に弱くなり耐震性も落ちることがあります。

特に木造住宅を購入するならば、注意したいところですが、実は鉄骨造などでもシロアリ(白蟻)の被害にあうことはあります。それは、鉄骨造でも木材を使用する箇所があるからです。

シロアリ(白蟻)の被害にあった住宅の事例と住宅購入時のチェックポイントについて解説します。

シロアリ被害の事例とチェックポイント(1)基礎の外側の蟻道

蟻道

この写真は、建物外部の基礎で発見されたシロアリの通り道で、蟻道と言われるものです。

この蟻道がある場合にはシロアリの被害にあっている可能性が考えられ、今現在では被害がなくても以前に被害にあっていた可能性があります。

シロアリといえば床下だと思いがちですが、建物外部で確認されることもよくありますので、住宅を買う時には基礎の外回りをゆっくり観察するようにしましょう。

シロアリ被害の事例とチェックポイント(2)床下の蟻道

床下の蟻道

この写真は床下で基礎コンクリートの表面を撮影したものですが、これも蟻道です。

床下収納庫などの点検口からのぞいて見える場合もありますが、床下の奥にある場合には潜って行かないと気づかないこともあります。

シロアリ被害は大きな問題ですし、また床下の土台などは建物を支える大事な部位でもあるため、購入時の床下の調査は非常に大事であると言えます。

シロアリ被害の事例とチェックポイント(3)床下の土台の蟻害

土台の蟻害

床下では、蟻道だけではなく、実際に蟻害が無いかどうかもチェックしなければなりません。上記の写真では、土台が蟻に食われてしまって甚大な被害を受けているのがわかります。この被害は建物の耐久性においても耐震性においてもマイナスで、非常に心配されるものです。

このような住宅を買ってしまっては、その補修コストも大変ですし、気づかずに被害が拡大していくこともありますので、やはり購入時(できれば購入前)に床下の調査はしておきましょう。中古住宅を購入するのであれば中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)を検討してください。

シロアリ被害の事例とチェックポイント(4)防蟻処理

防蟻処理

最後に建築中の新築住宅でのシロアリのチェックポイントです。

写真は悪い事例ではなく、良い事例です。新築時には防蟻処理と言って、シロアリを防ぐための薬剤を土台や柱、筋交いなどに塗布します。木造住宅では、地面から1mまでは塗布しなければなりません。

写真を見ると、柱の途中で濃いオレンジ色とそうでない部分で色が分かれているのがわかりますね。濃い色のところは防蟻処理されているために色が変わっているのです。つまり、建築現場ではこれを見れば防蟻処理されたかどうかがわかりますので、チェックしやすいですね。

但し、なかには色がつかない防蟻剤もあるため、色が無い場合は建築会社にヒアリングし、できれば防蟻処理した業者が発行する書面を閲覧させてもらいましょう。ちなみに、防蟻処理の一般的な有効期間は5年ですから、5年を超えれば再度、防蟻処理することを考えましょう。

ここでは、基礎の外回りや床下で確認されることが多いため、その事例を載せて解説していますが、蟻の種類によっては屋根裏に被害をもたらすケースもありますので、ここで解説したことだけがすべてではないことも覚えておいてください。

ホームインスペクションのアネスト

ホームインスペクション
第三者の一級建築士が、住宅購入・新築時などに建物の施工ミスや劣化具合などを調査する。新築(建築途中および完成物件)・中古住宅に対応。安心してマイホームを購入できる。