住宅診断(ホームインスペクション)でのチェックポイントを写真とともに詳しく解説するシリーズの第4弾は、床下や外壁部分のの断熱材についてです。
床下の断熱材の不具合
床下の断熱材では、床板に貼るように施工している断熱材が落下したり、剥がれそうになったりしていないか確認しなければなりません。床下の断熱材の不具合は、このパターンが非常に多く、新築住宅でも本当に多く発見されています。下の写真では、断熱材が落ちそうになって垂れ下がっています。
中古住宅では、断熱材の劣化や地震の揺れ、木の痩せなどの原因で落下してきているケースが多く見られます。床下の断熱材は落ちやすいため、住宅購入時だけではなく、たまに自宅の点検もしておかれるとよいでしょう。下の写真で、断熱材が落ちている(ぶら下がっている状態)のがわかりますね。
外壁面の断熱材の不具合
断熱材は屋根裏や床下だけではなく、外壁面にもあります。
ただ、新築住宅の建築中でもない限り外壁面の全てにおいて断熱材の施工状況や劣化具合を目視確認することはできません。外壁面の断熱材を確認できるポイントとしては、「天井点検口から確認」「屋根裏から確認」などの方法があります。
但し、このうちの「屋根裏からの確認」では、屋根裏の内部へ上がって外壁面付近まで入っていき、そこで壁内を上から確認する方法ですが、なかなか見づらく、確認できないこともあります。また、他に「コンセントボックスから確認」する方法もなくはないですが、コンセントボックスを取り外して中を確認しても、そのボックスのすぐそばしか確認できないため、ほとんど意味がないです。
「天井点検口から確認」はその点検口の位置によっては、目視確認することが可能なこともあり、また確認しやすいです。たとえば、ユニットバスの天井点検口から確認することができます。
外壁面の断熱材のチェックポイントとしては、断熱材が重力に負けてずれ落ちていないか、部分的に断熱材が抜けていないか確認しなければなりません。上の写真では、断熱材の一部が抜けており、新築時の設置忘れだと考えられます。
断熱材の有無をチェック
断熱材は、古い住宅であれば、そもそも施工されていないということもあります。
新築住宅を購入して断熱材が施工されていないということは一般的にはありえないことですが、古い中古住宅であれば普通にありうることです。よって、まずは断熱材の有無をチェックすることが先だとも言えます。参考として、1980年頃以降に建築された住宅では断熱材の施工が一般化してきました。
床下や屋根裏、天井点検口から断熱材があるかどうか確認することは、そう難しいことではありませんので、必ず確認してください。ただ、細かな施工ミスや劣化状態の確認は、わかりづらいことも多いため、一度、専門家に住宅診断(ホームインスペクション)して頂くとよいでしょう。