前回(売買契約時の注意点(2)諸費用と住宅ローン特約)に引き続いて、売買契約時の注意点をお話ししていきます。
口頭でのやり取りに注意
住宅を購入した後に買主から聞く後悔話や失敗談に、口約束を信用して失敗したという話が多いです。口頭で約束していたことを売主や不動産業者が守ってくれず、いくら要求してものらりくらりとかわされるというのです。
契約時にかかわらずですが口頭での約束はしないことです。必ず、打合せ記録(書面)を残すようにしましょう。出来ればその打合せ記録に、お互いが署名・捺印出来れば一番よいです。
言った・言わないなどの口約束によるトラブルというのは、案外多いものです。
たとえば「事前に電柱の移設をしておきますよ」と不動産業者に口頭で言われて安心していたところ、それが実行されていなかった・・・など、細かいことから大きなことまで色々とあると思いますが、打合せ記録を残しておけば、後からでもお互いがどういった取り決めをしたか確認出来ます。
万一、相手方と争うときの証拠にもなります。
もし、打合せ記録を残すことは相手への心証が・・・と遠慮があるなら、打合せ時に相手の目の前でメモを取るようにしましょう。
「内容を忘れてしまいそうなので、メモを取りますね」など言えば、すんなり記録できると思います。そして、メモや記録のコピーを相手に渡しておくと良いでしょう。
実際は営業マンがこういった打合せ記録をきちんと残すように進んで行うべきなのですが、そうでない場合が多いのが現実ですから、買主側から働きかけした方がよいでしょう。
不動産業者に遠慮しない
さて、色々と売買契約時における注意点をお伝えしましたが、一番大事なのは不動産会社に遠慮しないことです。一般のお客様が不動産の購入において、専門的な知識が無いのは当然です。事前にご自身である程度調べることも出来ますが、それでも限界があります。
わからないことや不明瞭な点は、遠慮なく不動産会社に尋ねる。そして契約前に話し合って、変更点があれば変更してもらうことを条件に契約を進めたり、不明瞭な点をきちんと明示して頂いたりしてください。買主は相応の大金を支払ってマイホームを手に入れるのですから、遠慮は禁物です。
売買契約に関する話はここで終えて、次回は引渡しと残代金の支払いについて、お話ししていきます。もし、売買契約の流れや契約内容の具体的なチェックポイントなどを知りたいなら、「住宅の売買契約の流れと基本的な注意点」をご覧ください。