住宅購入を進める初期段階では、不動産業者にいくつかの物件を案内してもらうことがあります。購入する上では、できるだけ多くの物件を見学して、比較検討したいものですが、その物件見学に関して不動産業者が仕掛けているワナがあることを知っておきましょう。
物件案内に注意
中古物件の物件案内・見学の場合に多いワナを説明しましょう。
中古住宅として売り出されている物件にもいろいろなものがありますが、そのなかには不動産業者の目で見て、「これは売れやすい物件だな」というものもあれば、「これは工夫次第で売れるかな」という物件、「これを売るのは厳しいなぁ」という物件までいろいろあります。
売れやすい物件というのはそう多くありませんから、歩合給を得たい営業マンとしては工夫次第で売れるかな、という物件をいかに上手く捌くかに腕の良し悪しがあると言っても過言ではありません。
そこでよく使われる営業手法が、売りづらい物件の有効活用です。有効活用という表現も変な話なのですが。
具体的には以下のようにします。
- 最初に売りづらい物件(見た目や条件のよくない物件)を案内する
- 次も売りづらい物件(見た目や条件のよくない物件)を案内する
- 最後に、ごく普通の物件(工夫次第で売れる物件)を案内する
こうすることで、買主はごく普通の物件が良い物件だと思えてしまうのです。これは、物件案内する順序が大事で、この順序を間違えると効果がありません(むしろ逆効果)。これにより、普通の物件でも良く見えてしまうマジックにかかることがありますから、買主としては要注意です。
物件の比較を行うのも確かに必要ですが、それよりもまずは自分の希望に合っているかどうかを冷静に検討することが大事です。
但し、100%希望を満たす物件というのはなかなか無いものなのです。必ずその物件だけではなく、他にも4・5件以上の物件を見て、メリットやデメリットを考えてみて希望に近いものを判断して下さい。
そうしてジャッジされた物件について、前向きに検討していく場合には購入へ進むことになります。購入に進む前に、物件探しのポイントをお話ししていきたいと思います。
物件探しのポイント
「この物件、イイ!」と思ったらすぐにでも購入を決めてしまわなくてはいけないと思っている買主が意外に多いです。
- 確かに、人気の物件かもしれません。
- 確かに、住宅ローンも無理なく支払えそうかもしれません。
- 確かに、買主の事情や理想に沿っている物件かもしれません。
でも、落ち着いて下さい。 いまの住居の隣地ならいざ知らず、この物件の周辺事情はご存知でしょうか?物件の間取りや設備などについては、実際の物件を見ることや資料を見ることである程度はわかりますよね。
- でも、物件の周辺には何があるか?
- どんな建物が多いか?
- 近隣の住民は、どんな方々か?
- 何か面倒な決まりごとなどはないか?
- 昼と夜の環境はどうか?
などなど、物件にかかわる環境というのは、実際にご自身で体験してみないとわかりません。不動産業者に訊いてももちろん良いですが、業者にだってわからないことがあったりします。実際にそこに住んでいる自分自身を想像して、周囲を散策してみて初めてわかることや見えてくることがあります。
物件を知ることは、周囲の環境も知ることです。
「この物件、イイ!」と思ったら、少し冷静になって物件の周囲の環境にも目を向けてみることが必要です。
次回は、購入の申し込みについてお話ししていきたいと思います。