住宅の地盤

住宅を買うときには、地盤が気になるという人は多いでしょう。地盤が建物に与える影響が大きいことから当たり前のことですね。

新築の建売住宅、注文住宅、そして中古住宅のそれぞれの場合について、地盤の確認方法などを解説します。

新築の建売住宅の地盤

新築の建売住宅の場合、通常は地盤調査を行い、その地盤調査結果によっては地盤改良工事を行ったうえで、住宅を新築します。

ですから、建売住宅を購入する際には、契約前に必ず、地盤調査報告書を確認しましょう。但し、一般の方が地盤調査報告書を見て理解するのは難しいので、同時に売主から地盤の状態についてしっかり説明を受けるようにしましょう。

もし、地盤が弱い場合(住宅を新築するには不十分である場合)には、適切な地盤改良工事を行う必要があります。この地盤改良工事を行った物件であれば、地盤改良工事報告書も確認する必要があります。もちろん、この内容も売主から説明して頂くようにしましょう。

売主としても、地盤が弱い(軟弱地盤)であるにも関わらず、適切な地盤改良工事などをしなければ、地盤沈下して建物に被害が出た場合に責任を負わねばなららないので、地盤調査結果に応じた地盤改良工事などを行うのが常識です。

しかし、地盤改良工事は、数十万円から数百万円もかかるため、コストダウンのために地盤改良工事を行わないケースも見られます。地盤調査報告書のなかに、「表層改良などの地盤改良が必要」などの表現があるにも関わらず、地盤改良工事を行わないようであれば、納得できるまで売主に説明を求めるようにしましょう。

新築の注文住宅の地盤

注文住宅の場合にしばしば問題となるのが、これから土地を購入し、それから建築するハウスメーカーや工務店を検討する場合です。

土地を新たに購入する場合、購入前に売主側で地盤調査をしていないケースが多いです。つまり、安心できる地盤かどうか不明な状況のなかで、高い買い物の決断をしなければならないことになります。

これはリスクが高いですね。地盤調査の結果次第では、地盤改良工事に100万円単位の大きな費用がかかることもあります。なかには、地盤改良工事だけで300万円を超えることもあるのです。大きいですね。

できれば、売主側で地盤調査をしている土地を探したいものですが、この条件を絞ると他の条件に合う土地が見つからない可能性が高まってしまいます。

購入前に地盤調査をさせてもらえるならば、そうすることも1つの方法ですし、または契約内容で地盤調査の結果次第では解約できる内容にしておくのも方法です。しかし、これには売主側がなかなか応じてくれないことも考えられます。

また、対象の分譲地が何区画もあるような現場である場合は、他の区画が既に地盤調査を行っていることもあります。そういうときには、他の区画の地盤調査結果を参考として確認させてもらうこともできます。

但し、地盤の強さは、同じ区画内であっても、大きく異なることもあります。たとえば、「道路付近の地盤は強固な地盤だったが、敷地の奥の方は軟弱地盤だった」ということもあるのです。ですから、近くとはいえ、他の区画の地盤調査結果は参考にする程度であって、それだけで判断はできません。

中古住宅の地盤

中古住宅を購入する場合、その土地の地盤はどのように確認すれば良いのでしょうか。

1つは、今建っている住宅を新築するときに地盤調査をしたデータ(地盤調査報告書)があれば、それを閲覧させて頂くと良いでしょう。しかし、古い住宅であれば所有者が地盤調査報告書を残していないことも多いですし、そもそも昔は地盤調査をしていないことも多いものです。

2つ目は、近隣での地盤調査データがないか役所で確認する方法があります。もしくは、地盤調査会社によっては近隣の地盤調査データを教えてもらえる(有償が多い)こともあります。ただ、地盤は、同じ敷地内であっても強さが異なることが多いので、近隣のデータはあくまで参考にする程度です。

3つ目は、建っている中古住宅の建物や外構などに軟弱地盤が要因と考えられるような症状が出ていないか確認することです。基礎や外壁、またはブロック塀などに大きなひび割れがないか、建物が傾いていないかといった症状を調べることです。ただ、これらはあくまで症状ですので、これだけで軟弱地盤がどうかを判断することはなかなかできません。参考とする程度です。

中古住宅は、建物の劣化具合なども心配されるため、購入前に住宅診断を行う方も多いですが、このときに診断を行う方に地盤の懸念も伝えて、関係のありそうな前述の症状がないかどうかを診て頂くのも良いでしょう。

ホームインスペクションのアネスト

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第三者の一級建築士が、住宅購入・新築時などに建物の施工ミスや劣化具合などを調査する。新築(建築途中および完成物件)・中古住宅に対応。安心してマイホームを購入できる。