前回は「売り出し価格(販売価格)の決まり方」について説明しましたが、今回は売主と買主の価格交渉について説明します。
最初に、売主と買主が合意して売買価格が決まるとお伝えしましたね。前回では、売り出し価格が決まるまでをお伝えしましたが、実際に販売を開始してからは売主の一方的な考えだけで売買が成立するわけではありません。誰かに買ってもらわなければならないから当然のことです。
買主の都合や他の購入希望者の有無も価格に影響する
買主の都合や予算、市場動向によって、価格は変わっていくことが多いものです。売主にしてみれば、希望の価格で買ってくれる人がいないならば、価格を下げることも考慮しなければなりません。
同時に複数の買主が表れない限り、多くの場合で買主は売主に対して価格交渉(もちろん値下げ交渉)をします。これに応じるかどうかは、売主次第です。
不動産業者による価格のコントロールもありうる
売主が不動産会社であれば、慣れたものですから、他の引き合い(別の購入希望者)の有無などをよく見極めて判断します(新築建売住宅の売主は不動産業者ですし、中古住宅でも売主が不動産業者であることもある)。不動産業者は、長く売れ残っている物件に関しては思い切った値下げをすることもあります。
売主が一般個人の中古住宅であれば、売主と買主の間に入っている不動産仲介業者がある程度、コントロールすることも多いです。
不動産仲介業者は、他の不動産仲介業者が先にその物件を売ってしまうと自社の手数料収入にならないため、購入希望者の気持ちを焦らすなどして購入の決断を促すことは日常茶飯事です。
購入希望者としては、この辺の事情も考慮しながら検討する必要がありそうです。
次回は「住宅購入時の価格交渉の流れと注意点」です。