透湿防水シートの工事における注意点とチェックポイントです。透湿防水シートの施工は雨漏りを防ぐためにも非常に重要な工程です。チェックポイントをしっかり把握して補修すべき点は指摘しておかなければ、後々の雨漏りにもつながってしまいます。
まず、透湿防水シートが乱れなくきっちり張られているか確認します。タッカーで適切なピッチで留められているかもチェックします。タッカーの間隔は防水シートに記されていることもありますが、書かれていてもミスしていることが多いので、しっかり確認しましょう。
そして、大事なチェックポイントが重ね代です。外部から外壁内部へ侵入した雨水を防水シートで止めるのですが、防水シートの切れ目があれば、そこからさらに建物内部へと侵入してしまいます。防水シートの切れ目(継ぎ目)の部分をしっかり重ねて張っているか確認しなければなりません。
透湿防水シートの重ね代は、その防水シートに記されていることが多いですが、参考としては上下方向なら100mm以上、横方向なら300mm以上です。
建物のコーナー部分では、防水シートがコーナー部分をくるんでしまうように回しこみをしているかチェックしなければなりません。
そして、雨漏りの原因となることが多いのがサッシ周りです。アネストでは雨漏り調査も行っておりますが、外壁からの雨漏りはサッシ周りが原因となっていることが多いです。大事なチェックポイントですので、要注意です。
サッシ周りは、透湿防水シートだけではなく、防水テープ(上写真)を張っているか確認します。この防水テープにも張り方の順序があり、サッシの下側、左右、上側の順に張っているかチェックします。雨水は上から下へと流れるので、この順序で張っておけば内部への雨水の進入を防ぐことができます。
サッシ以外にも配管、スリーブなどの透湿防水シートを貫通する部分についても、同様に防水テープで処置しているかチェックします。建築中の検査をしていると、こういった部分の防水テープがあるものの、隙間があったり剥がれていたりすることもあります。丁寧に張られているかもチェックしなければなりません。
ちなみに、透湿防水シートに破れている箇所があれば、その部分も防水テープで補修しておく必要があります。
チェックポイント
外壁の透湿防水シート
- 防水シートの重ね代(上下方向は100mm以上)※但しメーカー指定を要確認
- 防水シートの重ね代(横方向は300mm以上)※但しメーカー指定を要確認
- コーナー部の防水シートの回しこみ
- タッカーのピッチ
- 防水シートの乱れ
- 貫通部周りの防水テープ
- サッシ周りの防水テープ