基礎の立上り部分のコンクリート打設時の注意点やチェックポイントです。基本的には、底盤部分と同じようにチェックする必要があります。
立上り部分にコンクリートを打設する前に、立上りの内側の面に型枠を設置しますが、その型枠の固定状況や並びを確認します。前回と同じように、型枠にゴミ等の付着物がないかも確認が必要です。左の写真で赤い板が型枠で、これは鋼製の型枠です。 実は、型枠だけではなく鉄筋にも付着物がないか確認を要します。鉄筋に付着物があると、鉄筋とコンクリートの付着力に影響する可能性があるからです。
そして、金物についてもコンクリート打設前にチェックしておきましょう。この時点でアンカーボルトを設置することが多いですが、そのアンカーボルトの位置が設計図書通りであるか確認します。上記の写真で立上り部分に垂直方向に出ている金物がアンカーボルトです。これらは、結束線等での固定状況も確認し、傾いていないかも見ておきましょう。アンカーボルトの埋め込み寸法が適切であるかも確認しなければなりません。
次に、コンクリートです。底盤と同じようにJIS規格であるか確認します。ここでも納品書や配合計画書の確認をしておきましょう。コンクリートの打設時には、バイブレータで適切に作業されているか確認してください。そして、打設時に立ちあって確認できるならば、アンカーボルトが作業中に傾かないかも見ておきたいところです。
コンクリートを打設して、養生を終えれば型枠を撤去します。その撤去後には、コンクリート表面のクラック(ひび割れ)、ジャンカ、コールドジョイントを確認しましょう。但し、コールドジョイントまでは確認が難しいと想定されます(左の写真は、基礎のジャンカ)。
このようなジャンカがあれば、早めに補修対応を求めなければなりません。
また、基礎立上りの天端が水平であるかも確認しなければなりませんし、基礎の底盤と立上りの打継面の状況に異常がないかも確認しておきましょう。打継とは、1度目に打設した底盤のコンクリートと2度目に打設した立上りコンクリートの境です。左の写真のコンクリート中央(水平方向)が打継部です。
上の写真では既に土台が敷かれていますが、本来はこの次の工程となります。
型枠の撤去後にも、アンカーボルトが傾いていないかは見ておく必要があります。そして、基礎の高さや幅が設計図書通りであるかも再確認しましょう。
チェックポイント
型枠(基礎立上りの内側)
- 設置状況(固定・並びに乱れがないか)
- ゴミ等の付着物(鉄筋の付着物も)
金物
- アンカーボルトの位置
- アンカーボルトの固定
- アンカーボルトの傾き
- アンカーボルトの埋め込み寸法
コンクリート
- JIS規格のコンクリートか
- バイブレータでしっかり締め固めをしているか
- クラック(ひび割れ)
- ジャンカ
- コールドジョイント
- 天端の水平
- コンクリートの打継面の状況
- 出荷伝票
- 配合計画書
- 基礎の幅・高さ