断熱工事の工程(建築の流れ)について説明します。断熱には、大きくわけて内断熱工法と外断熱工法がありますが、多くの住宅で内断熱工法が採用されていますので、ここでは内断熱工法について説明します。
まずは、外壁面の断熱工事についてです。断熱材にもさまざまな種類がありますが、よく使用されているのが、グラスウールです。グラスウールとは、ガラス繊維でできている断熱材であり、断熱効果があるのはもちろんですが、吸音効果もあると言われています。ただ、吸音効果は大きくないのであまり期待しない方が良いでしょう。
グラスウールの断熱材は、現場に搬入された時点ではロール状になっていることが多いですが、これを壁の高さにあわせてカットしていき、外壁面の柱と柱の間にしっかりと充填していきます。断熱材の施工ポイントは、隙間なくきっちりと施工することにありますので、床面(下地のある面)まできっちりと施工しなければなりません。
グラスウールは防湿シートに包まれており、そのシートの耳の部分があるので、これをタッカーで柱にとめていきます。ちなみに、タッカーを打つ位置は耳の部分にマークがあります。原則として、断熱材と断熱材の隙間を無くすために、左右に並ぶグラスウールの耳を重ねるようにとめていくようにします。
グラスウール以外には、発砲ウレタンが採用されている現場も多くあります。これは現場で吹付けて施工していくのですが、断熱材の隙間が生じないことが利点の1つです。
次に、天井面の断熱工事について説明します。断熱工事は外壁面に限らず、外気と接する部分に施工しなければなりません。天井面の断熱工事と書きましたが、実際には天井の上に断熱材を敷き詰めていく天井断熱(左写真)と屋根の下側(内側)に断熱材を充填していく屋根断熱があります。
多くの住宅で天井断熱の方が採用されていますが、グラスウールの断熱材を天井に敷き詰める工法(上写真)が最も多いでしょう。このときも断熱材の隙間が生じないように丁寧に施工することがポイントとなります。屋根断熱の場合でも同様に隙間なく施工しなくてはなりません。
また、床面にも断熱材を施工します。床の下側(裏側)でも、グラスウールが採用されていることがありますが、最近ではグラスウール以外の発砲プラスチック系の断熱材が使用されることもよくあります。
他の断熱材や外断熱(外張り断熱)工法については、別の機会に説明します。