遣り方を終えると根伐り(ねぎり)という作業に入ります(下の写真)。根伐りの前に地鎮祭を行うこともあります。
この根伐りは、掘り方と呼ばれることもありますが、基礎を作るために地盤を掘削する作業のことです。この写真のようにユンボで地盤を掘削していく作業です。
次に、掘削した底の部分(根伐り底)へ割栗石を敷き詰めていきますが、割栗石を用いない現場が多いです。
この工程がある場合には、割栗石を小端立て(縦に使う~凸部を上に向けて立たせる事)に並べて、隙間に目潰し砂利を撒いて上から突き固めます。従って地業の厚さが150mm程度になります。べた基礎の場合には面積が広くて手間が掛かりますので、一般的には砕石地業が多く採用されております。
そして、ランマーという機械でしっかりと転圧(左写真)していきます。この作業は、割栗石を締め固めするためのもので大事な工程です。
さらに、その後に基礎の下となる部分の全体に砕石を敷き詰めます(左写真)。その砕石の上からも、しっかりランマーで転圧して締め固めを行います。
十分に転圧した後には、防湿シートを敷きます。防湿シートは、基礎の底盤部分を覆うように敷いていきます。これは、地面からあがる湿気を防ぐためのものですので、隙間が出来たり破れ(欠損)箇所ができないようにしていきます。何枚もの防湿シートを使用するので、シートとシートを重ねて敷いていきます。
防湿シートを敷き詰めた後は、捨てコンクリートの打設です。略して「捨てコン」と言われいますが、この捨てコンクリートは基礎構造部ではありません。建築中の現場を見た方からの住宅検査の問合せの際に、「コンクリートを打っていました。もう鉄筋はチェックできないでしょうか?」と伺うことが多いですが、それがこの捨てコンクリートであれば、まだ鉄筋のチェック(配筋検査)に間に合います。
上記の写真は、防湿シートを敷いた上に捨てコンクリートを打設した後のものです。通常、捨てコンクリートは、根伐り底の部分にミキサー車が来て打設していきます。捨てコンクリートの主たる目的は墨出しの為で、遣り方で引いた水糸を基準にコンクリートの表面に壁芯と型枠の位置及び人通口を標します。これにより型枠と鉄筋の位置決めを判り易くします。業者によっては水糸を拠り所に、捨てコンクリートを打たないで型枠工事(鉄筋工事)を行う施工法を採用する事もあります。
ここまでが、地業工事と呼ばれるものです。地業工事を順にまとめると以下のようになります。
○地業工事の流れ
- 根伐り(掘り方・掘削)
- 割栗石の敷き詰め
- 転圧
- 砕石の敷き詰め
- 転圧
- 防湿シートの敷き詰め(並行するように基礎底盤の配筋を行うこともある)
- 捨てコンクリートの打設