基礎工事の工程については、一般によく用いられるベタ基礎について説明します。ベタ基礎以外には布基礎がありますが、最近の住宅の多くがベタ基礎となっています。
基礎工事は、建物の基礎ですから多くの方がイメージされる通り、たいへん大事な工程です。基礎工事といえば、鉄筋を組んでいく作業、つまり配筋工事やその後のコンクリートの打設をイメージされると思います。
しかし、配筋工事をする前に捨てコンクリートに墨出しをする作業があります。これは、配筋工事の基準とする線を捨てコンクリートに表示するものです。
墨出しを終えてから、いよいよ配筋工事です。配筋は基礎の底にあたる底盤(コンクリートスラブともいう)を先に行い、その後、基礎の立ての部分にあたる立上り部分を行います。鉄筋と鉄筋は結束線で結んで固定します。これをしておかないとコンクリートを打設するときに、鉄筋がずれてしまうことがあるからです。
配筋工事の現場を見ると、写真のような塊を目にすることでしょう。これは、スペーサーブロックというもので、通称はサイコロです。
現場ではサイコロとかスペーサーと呼ばれています。このスペーサーブロックを鉄筋の下に敷くことで、鉄筋の下側のコンクリートの厚み(かぶり厚)を確保することができるので重要なものです。
基礎の立上り部のかぶり厚を確保するためにもスペーサーを使用します。
基礎配筋工事も、その他の工程と同様に設計図書(建物の図面)に沿って工事をしていくべきなのですが、建売住宅や一部の注文住宅では設計図書に記載しておくべき情報が不足していることが多く、現場の職人任せになっていることがよくあります。
大事な基礎配筋工事なのに図面が不十分というのもおかしなことですが、それだけに適切にチェックしておかなければいけません。
基礎の配筋工事については、チェックポイントもかなり多いです。たいへん重要な点なので、「基礎工事:基礎配筋のチェックポイント」を参考にしてしっかりチェックしてください。