ここでは、建て方(たてかた)の建築工事の流れについて説明します。ここで説明するのは木造軸組工法(在来工法)の2階建てです。建て方とは、土台、柱、梁と施工していき、棟上げするまでの工程を指します。
まず、1階部分の土台の上に柱を立てていきます。1階の土台から2階の天井部にある軒桁まで通す柱が通し柱で、1階の土台から2階の床部にある胴差までの柱が管柱です。この胴差から軒桁までの柱も管柱です。ちなみに、柱の間に設けるものを間柱と言い、柱の二つ割の寸法の材料です。土台と柱は、ホールダウン金物(左写真)やアンカーボルト、L字金物で緊結します。
サッシが入る位置(窓の位置)には、窓の枠組みを作ります。窓の上端の部分が窓まぐさ、下端の部分が窓台です。
【通し柱・管柱・間柱・胴差・軒桁・窓まぐさ・窓台の位置は「木造軸組工法(在来工法)の構造と各部の名称」を参照】
そして、胴差(どうさし)や梁といった横架材で柱と柱を水平方向につないでいきます。このとき、柱と梁は羽子板ボルト(左写真)でしっかりと留めます。
上記と同時に1階では仮筋交いを設置しておきますが、次の工程へ進む前に、柱の垂直を確認して傾きを直し、仮筋交いも調整しておきます。
次に、2階の構造用合板(剛床)を張っておいてから、2階部分の胴差から軒桁までの柱(管柱)を設置していきます。2階の柱を立てれば、桁や梁といった横架材で柱を水平方向につないでいきます。
2階の天井部の梁(小屋梁)から上に、小屋束・母屋、垂木(たるき)、火打ち梁、棟木、野地板と設置しておきます。これらを小屋組(左写真)と言います。棟木まであげれば、いわゆる上棟(棟上げ)です。
【母屋・垂木・火打ち梁・棟木の位置は木造軸組工法(在来工法)の構造と各部の名称を参照】
上記の工程の順序は現場によって異なりますので、必ず上記の通りとなるわけではありません。2階の床を張る前に、小屋束・母屋、垂木、野地板を施工することもよくありますし、同時進行で進めることもあります。