新築マンションを購入するとき、共用施設のチェック・確認は欠かせません。マンションの資産価値にも居住者の生活にも関わる大事な部分ですから、購入する前に確認しておきたいものです。
マンションは共用施設が重要
マンションは居住するお部屋である専有部分とその他の共用部分で成り立っています。共用部分にも廊下やエントランス、エレベーターなど必須のスペースや設備がありますが、他にも様々な施設があることもあります。
極端な例としては、温泉付きのマンションというものもありますし、バブル期にはプール付きのマンションもありました。どちらも維持するのにコストがかかるため、その後、使用されなくなっているケースもあります。
最近の新築マンションでは、共用施設も現実離れしたものではなく、現実的に使用されやすいものであったり、維持費も特別高くないものであったりするようです。キッズルームなどはマンション内のコミュニティ形成にも役立ちますね。
共用施設というものは、基本的には付加価値だといえるのですが、一歩間違えれば、マイナスの資産にもなりかねません。「うちは購入しても使わないから興味がない」と考えたとしても、その維持管理費はマンションの所有者全員で負担していくのですから、無視するわけにもいきません。
本当に必要な共用施設であるかどうかは考えた方がよいでしょう。こういった共用施設の充実は大規模マンションで見られますが、大規模だけに1戸あたりの負担はそれほど大きくはありません。しかし、全く必要のない施設出会えば歓迎はできません。
前述のプールでは、管理組合で話し合って使用制限(時間や日程)を設けることがありました。誰かが監視していないと危険だということが話題になり、保護者無しの使用禁止ということもあります。
共用施設をチェックするときは、むしろ「贅沢な何かがあるか」より「必要なものがあるか」を優先的に確認したほうがよいでしょう。代表的なものとしては、集会室です。小規模マンションでは集会室が無いことも多いですが、皆さんが集まれるスペースがエントランスなどにあるかもあわせてチェックしましょう。マンションは管理面が大事ですから、話し合いの場は必要です。
駐輪場の問題は要チェック
マンションの駐輪場も大事なチェックポイントです。駐車場は意識されている方も多く、マンションの立地次第では、住戸に対して100%の台数分でも不足することがありますから、皆さんが気にされているようです。都心のマンションであれば駐車場の使用率が低いこともありますが。
しかし、駐輪場への意識が低い方が多いようです。とくに都心のマンションでは駐輪場不足は深刻で、駐輪場以外のスペース(エントランス周り)や歩道に置いているマンションまであります。新築時点では若い夫婦が多くて、一家に1台か2台の自転車だったのに10年も経つと子供の分も含めて3台も4台も、、、
こういったときに駐輪場のスペースを増設できるほど敷地に余裕があれば良いですが、都心部ではなかなかそうもいきません。マンションによっては植栽を削って駐輪場を増設していることもあります。
そういったことができないスペース不足のマンションでは、そこらじゅうに自転車を置いてしまい見た目が悪くなり、管理状態の悪いマンションになってしまうことがあります。見た目の悪いマンションは売却時に不利になることもあり、資産価値の低下につながる可能性もあります。たかが自転車とあなどるといけません。
ちなみに、ファミリータイプのマンションであれば住戸数に対して200%が最低ラインです。これでも不足することが多いですが、これ以上のマンションは多くありません。現実には駐輪場の問題は後回しにしたマンション設計になっているとも言えるのではないでしょうか。
機械式駐車場には要注意
マンションでは限られた敷地スペースに、建物本体以外にも駐輪場や駐車場もひつようとなるため、小規模マンションになるほど何かを犠牲にしなければならないことが多いです。そのマンションのコンセプト、ターゲット層などにもよるので、何がよくて何が悪いと決めるつけることもできないのですが、機械式駐車場には注意したほうがよいでしょう。
機械式駐車場とは、地下部分や空中部分にも駐車できるということで、スペースの有効利用がメリットとなっています。都心部ではよく見られます。しかし、この機械式駐車場のデメリットは大きなもので、今後、さらに問題視される可能性があります。
それはコスト負担の大きさです。維持費・保守点検に係る費用が数十万円であったり、部品の交換(交換頻度は意外と高い)に数万円が何度もありますし、老朽化したときの入れ替えには数千万円もかかることがあります。これらのコスト負担がマンションの所有者にくるのは言うまでもありません。
これらのコスト負担を駐車場収入から賄うことが理想ですが、全然不足してしまい、修繕積立金から拠出していくことが多いです。つまり、その機械式駐車場を使用しない人にとっては、他人のためにお金を出していくということでもあります。
そのうえ、平面式や立体式に比べて使用し辛く、荷物の出し入れがし辛かったり、入庫も出庫も大変だったりします。地下部分は大雨で浸水してしまったこともありますから、大変ですね。
使い勝手も悪いので、契約書が減っていき、最終的には埋めてしまって平面式に変更するマンションもあります。もちろん、台数は減ってしまいますがコスト負担などを考えればその方が良いこともあるのです。
機械式駐車場はデメリットが大きいので必ずチェックしておきたいです。