中古住宅を購入する方のなかには、あえて築年数が経過した古い住宅を探す方もいます。築30年でも古い住宅だと認識されていますが、築40年や築50年の中古物件を検討する方もおり、購入者にも様々な考え方があるものです。
最近は、古い物件を購入して自分好みの住宅にリノベーションする人も多く、それを積極的に普及させようとする不動産業者とリノベーション業者も増えてきています。
築40~50年の家(住宅)を購入するメリット・デメリット
築40年や築50年の古い住宅のメリット・デメリット、購入時の注意点について見ていきます。
メリット
- 建物価格が0円か0円に近い査定となっており購入しやすい価格帯である
- 古いだけに買主の好みにリノベーションしようと決心しやすい
- 買主の希望の間取りへ変更できる(建物によってできることは異なる)
- 同価格帯の新築や築浅の中古物件より土地面積が広くなる
- 売買価格が安定していて購入時からの大きな値下がりリスクが低い
築40年や築50年といった古い中古物件を購入するメリットの1つは、購入価格が安いことです。とはいえ、購入してそのまま長く居住しようと考えている方は少ないでしょう。補修やリノベーション工事にある程度の投資をすることが前提となることが多いです。
リノベーションをして、自分たちの好きな間取り、デザインの住宅を手に入れたいという方にとっては選択肢となります。
築年数以外の条件(たとえば地域や価格など)が同じようなものであれば、土地面積が大きなものを購入できます。十分な庭のある住宅を求める方にとっても魅力的なことです。
デメリット
- 建物の構造躯体・設備などに問題ないか心配
- 購入後、早い時期に建て替えかコスト負担の大きな補修が必要となる可能性がある
- リノベーション費用が大きな負担となる
- リノベーションしても構造躯体がダメなら無駄になる可能性がある
- リノベーション工事の品質によっては建物を傷めることがある
- リノベーション業者とトラブルになることがある
デメリットとして挙げられることは、建物の老朽化に関することが多いです。構造躯体の状態が非常に悪いようであれば、綺麗にリノベーションをするという単純な対応ではなく、柱や梁、基礎などの主要な構造部分の補修・補強に大きなコストがかかります。
補修や補強工事費が大きくなればなるほど、購入前にイメージしていたリノベーションを実行するだけの資金的なゆとりがなくなることも少なくありません。
築40年・築50年の家(住宅)の特徴と購入時の注意点
前述したように、建物の構造躯体などの状態によっては、補修や補強の費用が大きくなるため、購入前に第三者の専門家による住宅診断(ホームインスペクション)は非常に大事なものです。ただ、床下や屋根裏を点検するための点検口(床下収納庫を含む)がなければ専門家といえども確認できる範囲が限られますので、その点は注意しておきましょう。
また、中古住宅の購入後のリノベーション工事を発注する際にも、建物の状態を詳しく診てから詳細見積りを提示する業者であるかどうかは1つの判断材料となります。事前の診断で手抜きをしてしまうと想定外の追加工事が増え(どの物件でも全てを未然に防ぐことは難しいが)、予算オーバーで困惑する人は多いです。