
中古住宅を購入するときの重要なチェックポイントの1つとしてよく挙げられるのが、1981年(昭和56年)以降に建築された住宅であるかどうか、ということです。
これは、この年に建築基準法が改正され、耐震性について高い基準を求めるようになったからです。新耐震基準などと言われていますね。
簡単に言えば、
1981年(昭和56年)以降に建築された住宅であれば、厳しい基準で建てたものなので、それ以前の住宅よりも安心でしょう。
というものですね。
ちなみに、この年の6月1日に施行されていますので、それ以前に建築確認がおりたものであれば、古い基準で建てられている可能性が高くなります。
施行される前でも、新耐震基準の仕様で建築される住宅もありますので、施行前かどうかだけでは、判断できるものではありません。
しかし、一般の住宅購入者が建物や図面を見てこれを判断することはできませんので、この1981年(昭和56年)6月1日が1つの判断材料となるわけです。
ただ、注意すべきは完成日です。
多くの住宅の取引においては、完成年月が販売資料に掲載されており、いつ建築確認を申請し、いつ建築確認済証が発行されたかは掲載されておりません。不動産仲介業者も把握していないことが多いでしょう。
つまり、1981年(昭和56年)10月に完成した住宅であっても、古い基準で建てられた住宅である可能性もあるわけですので、注意が必要なのです。
例えば、1981年(昭和56年)5月下旬に建築確認がおり、すぐに着工したとします。完成までに5ヵ月かかれば10月下旬になりますね。
最近の新築住宅は、工期が短縮され、2ヶ月前後で完成することも珍しくないですが、この当時はそうではありません。
よって、1つの目安として、
1982年(昭和57年)以降に完成した住宅であれば、新しい耐震基準で建築された可能性が高い。
と捉えておきましょう。
マンションであれば、工期がもっと長いですから、1983年(昭和58年)以降と考えておいた方が良いですね。
ただ、このことでもう1つ注意しておかないといけません。なかには、違法建築もあれば、工事が杜撰だったものもありますし、今では建物の劣化が進んでしまい、建築年月に関係なく建物の状態が良くないこともあります。
よって、この建築年月については、あくまで参考情報として、各々の中古住宅を個別に見て判断してください。その判断の参考としては、第三者の中古住宅の住宅診断が有効です。