中古マンション購入

中古マンションを購入するときには、そのメリットとデメリットを理解しておきたいものです。買ってから想定外のデメリットを知っても後悔することになるでしょう。

ここでは、メリットとデメリットに分けて紹介しますので、ご確認ください。

中古マンション購入のメリット

最初に中古マンションを購入することのメリットから紹介します。

購入しやすい価格帯

多くの場合に中古マンションの購入を検討するきっかけとなっており、それがメリットでもあるのが、新築マンションに比べて価格が安いということです。安いとは言いましても、立地・築年数・専有面積などの条件によって新築と中古の差額はマチマチです。

今、住宅を購入する主力層である20~40代前半の方々の年収は思ったほどに上がらないことも多く、将来の家庭の財政的な面の不安もあることから、住宅購入の予算を抑えて考える方は少なくありません。現時点で購入できる金額の上限ではなく、ゆとりをもった資金計画は確かに大事なものなのです。

こういった経済的な現実を見て、購入しやすい価格帯である中古住宅に目を向ける方は多いです。そのなかでも、都心派の方が中古マンションを選択肢の中心と据えるのは自然なことと言えるでしょう。

今は、中古マンションでも頭金が少なくても住宅ローンを利用しやすくなっていますので、中古マンションを購入する環境が整ってきているとも言えます。

実物を見て選べる

中古マンションを購入するメリットは、新築マンションを購入する場合と対比するとわかりやすいです。新築より安くて購入しやすい価格帯であることもそうですが、青田売りが中心の新築マンションと違って、中古マンションなら購入する部屋を直接に見学して選べる点も大きなメリットです。

冷静に考えれば、数千万円の大きな買い物であるにもかかわらず、実物を見ずに購入する方が不思議なぐらいなのですが、新築マンションであればそれが当たり前になっています。

中古マンションならば、実際の部屋の中を見れるので、新築マンションでありがちな、「こんなに狭いの!?」などというイメージの相違が起こることはほとんどありません。

新築マンションは、完成時の内覧会で初めて購入した部屋を見るのですが、そのときに前述のような驚きの反応を示される方もいるのです。

実物を見れるということは、部屋の広さだけの問題ではありません。しばしば問題となる日照(日当たり)についても、確認しやすいですし、眺望も見て確認できます。そして、室内はもちろん、共用部の劣化状態を確認することもできます。ただ、劣化状態の診断は難しいので、建築士による中古マンションの建物調査を依頼するのも方法です。

部屋のなかや居住環境をイメージしやすいことは、中古マンションを購入する大きなメリットと言えるでしょう。

金利上昇リスクがない

中古マンションを購入する方の多くが住宅ローンを利用しますね。住宅ローンを借りれば、当然ながらその金利を支払っていかなければなりません。

さて、ここでも新築マンションとの対比です。新築マンションの多くは青田売りのために、契約した時点では実際に利用する住宅ローンの金利がわかりません。契約から住宅ローンの借入(通常はマンション完成の頃)までに経済状況が変わってしまって、住宅ローン金利が上昇してしまうこともあります。

しかし、中古マンションであれば、多くの売買において契約から住宅ローンの借り入れまでの期間は2ヶ月未満ですので、大きな金利変動リスクはなく、たとえば金利が上昇してもその影響は軽微です。

ただし、長らく低金利が続いているので、この点のメリットは新築マンションと比べても今のところはそう大きくないとも言えますし、逆に金利は下がることもありますね。

中古マンション購入のデメリット

次に、中古マンションを購入するデメリットについて紹介します。

長く住みづらい?

マイホームという大きな買い物をするときにメリットだけを見ていては後悔することになりますね。どんなものにでも、デメリットはあるものですが、そのデメリットも頭に入れて購入判断した方が良いでしょう。

中古マンションを購入する上でのデメリットの1つは、「長く安心して住むことができるか?」という点です。基本的には、ほとんどのデメリットがこれと関係する心配だと言えます。

建物の劣化が激しくて、長持ちしないマンションもあります。耐久性の問題ですね。終の棲家として購入した中古マンションなのに、古くなってから住めないようでは困りますよね。

もちろん、古くなって・・・ということを考えれば新築でも同じなのですが、中古マンションの場合、購入時の築年数や購入者の年齢によっては切実な問題となりうるのです。

40歳で築20年のマンションを購入したとします。80歳のときには、築60年です。このときになって、そのマンションの劣化具合や管理状態などから、もう安心して居住できない状況だとしたら、、、怖いことですよね。

築年数を単純に数値として挙げるとわかりやすいので、上記のように書きましたが、実際には各マンションの劣化具合、管理状態などは大きく、大きく異なるものです。あなたが購入した中古マンションが良くなければ、このようなリスクが現実のものとなってくるので注意した方が良いでしょう。

やはり、中古マンション選びは慎重にしたいところですね。

ちなみに、高齢になってからマンションの建替えをすることになれば、いろいろと管理組合等の話し合いの労力・手間などが大変ですし、建替えの資金を用意できるかどうかも大きな問題となってきます。

こういった将来のことがデメリットとなりうるの頭に入れておいた方が良いでしょう。

修繕計画がひどい状態の物件がある

マンションを良い状態で長持ちさせるには、普段からの維持・修繕が非常に大事です。マンションによっては、この維持・修繕を適切にやっていないことも少なくありません。

たまたま購入した中古マンションが、維持・修繕をまともにしていないようであれば、将来の思わぬ金銭的な負担が多く生じる可能性があります。

分譲マンションは、維持・修繕を計画的に行っていくため、修繕積立金を各所有者が負担して、修繕費を積み立てていきます。

しかし、その金額は長期修繕計画をもとに計算された適切なものである必要がありますが、全然不足がちなマンションも少なくないのが現実です。そういったマンションは、これから問題が表面化してきて運営がたいへんなものになるでしょう。

マンションによっては、修繕計画がひどいものがあるので、よく確認しておく必要があります。

管理組合が面倒

ここで挙げることは、「中古」マンションに限らず、「新築」マンションにも言えることですので、一戸建て住宅との対比で考えてください。

マンションを購入すれば、管理組合があり、その活動に参加しなければなりません。一戸建てであっても町内会がありますが、マンションの管理組合ではマンションの維持・修繕・管理などについて話し合いをしながら運営していくもので、これはそのマンションの資産価値とも深い関係があるものですから、町内会とは異なってきます。

マンション所有者の共通の財産に関する活動ですので、重みが違うといえば良いでしょうか。

マンションによって異なりますが、年1回の総会や毎月の理事会などがあります。大規模マンションであれば、修繕委員会などの各種委員会が開催されることもあります。もちろん、これらの全てに居住者全員が出席するわけではないですが、数年に1回は担当が周ってくることが一般的です。

こういった管理組合の活動を面倒だと感じる方もいるでしょう。面倒な方にとっては、デメリットと言えますね。一方で、希薄になったご近所付き合いを改善できる良い機会ととらえている方もいます。これは、個々の考え方次第ですので、自分にとってメリットなのかデメリットなのか、よく考えてみましょう。

共同住宅

ここで挙げることも、中古かどうかに関係なく、マンションのデメリットと言えることです。

マンションは、あくまで共同住宅です。つまり、1つの建物に皆さんが共同して居住しているわけです。もちろん、1つ1つの住戸は独立したものですが、いろいろなところで他の住人との関わりが生じます。前述した管理組合の活動もそうです。

周囲と関わるのが面倒だ、ご近所付き合いをしたくない、という方にとっては、煩わしいと感じることが少なくないかもしれません。

また、マンションの性能にもよりますが、上階や隣の音がうるさいなどという問題に直面することもあります。こういったことの感じ方は個人差が大きいので、一概にデメリットと決めつけることはできませんが、気にされる方にとっては本当にストレスになります。

音の問題だけで、引っ越しを決意された方のお話を伺ったのは2度や3度ではありません。

マンションは、あくまで「共同住宅」であることはしっかり認識しておいてください。

ホームインスペクションのアネスト

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第三者の一級建築士が、住宅購入・新築時などに建物の施工ミスや劣化具合などを調査する。新築(建築途中および完成物件)・中古住宅に対応。安心してマイホームを購入できる。