住宅の引渡し前に行われる内覧会ですが、マンションの内覧会については、専門家の同行の必要性に少しブレーキを踏んだ表現をしました。しかし、一戸建て住宅の内覧会に関しては、そうでもありません。
一戸建ての場合は、完成後であっても建物の基本構造部分を一部とはいえ、検査することができます。また、直接に基本構造部を目視できなくとも、症状が表面に出ていることもあります。
そして、実は構造部分以外にも重要な施工不良が見つかることも多いのです。
一戸建ての内覧会に専門家を同行すれば、床や壁の傾きを調べますので、その様子を見た方は「自分では調べられない」と仰る方もいます。しかし、許容範囲を超える傾きが出ていることは稀なことであり、大事な点は他にあります。
一戸建ての内覧会立会い・同行サービスで最も指摘が多い項目は、断熱材に関する事です。断熱材は、床下や天井裏でチェックすることができますが、その施工精度が低いことが多いのです。
他にも、土台や梁など構造部分を留める金物の設置不良や漏水、配管の勾配不良など様々です。これらは、マンションではほとんど確認できないものですが、一戸建てではチェックすることが可能なので、一戸建て購入のメリットとも言えます。
ただ、床下や屋根裏に点検口が全くない住宅の場合には、大事な個所をチェックできないので、引き渡しを受けてから早期に点検口を設置して点検しておいた方が良いでしょう。点検口のない住宅でも、売主と交渉して無償で設置してもらえたというお話もありますので、交渉されても良いでしょう。
ちなみに、床下であれば床下収納庫から確認できることが多いですし、屋根裏は押入れやクローゼットから確認できることが多いです。どこから確認できるか不明な場合は売主へ聞いてみると良いでしょう。
一戸建て住宅の内覧会では、確認すべき点が多く、かつ確認しやすいので、専門家を同行するメリットは十分にあると言えるでしょう。