建築する前の建売住宅を購入する人にとってメリットとなることを紹介します。購入判断の参考としてください。
プランの変更
建築前の建売住宅を購入する機会が増えたことは前述したとおりですが、そのメリットを考えてみましょう。
最大のメリットは、やはりプランの変更が可能である点です。広告でも目にする点ですね。多くの場合、基本となるプラン(間取りなど)が用意されていますが、それを変更できるということです。
しかし、プランの変更とは言っても何でも自由にできるわけではありません。大きくわけて以下の制約があります。
- 建築基準法等の規制によるもの
- 売主の意向によるもの
前者の法規制によるものは仕方ないものですが、後者の売主の意向による制約がかなり多いという点がポイントです。
間取りなどのプランを自由に変更できると思うと、注文建築をイメージする方も多いですが、建築前の建売住宅と表現しているように、「あくまで建売住宅」であることから法規制の範囲内なら何でもできるというわけでもないのです。
注文建築ではなく、建売住宅ということが基本になっています。
「自由に間取り変更できると思って契約したものの、制約が多すぎて何もできない、、、」といった不満を耳にすることも少なくありませんので、プラン変更が可能な範囲をしっかり売主に確認しなければなりません。
なかには、内装クロスのカラーや種類を選べる程度のものもありますし、水周り設備(キッチンなど)を変更できる場合もあります。また、和室を洋室に変更したり、キッチンの位置を移動できる場合もあります。
とにかく、その住宅の現場によって条件が異なるものなので、プラン変更可能な建築前の新築住宅といえども、個別にしっかり確認する必要があるのです。
建築中のチェック
完成した建売住宅を購入する方にとっては、完成後なので隠れて見えない箇所があることが不安材料の1つとして昔から言われ続けていました。
「壁の中の筋交いはどうなっているのか?」
「屋根裏の工事は丁寧か?」
「基礎の配筋工事は適切か?」
これらは、長く住みたい住宅を購入判断する上で、購入する側にとっては疑問視されてきたことです。欠陥住宅がマスコミで報道されることもありますが、隠れて見えない点が心配になるのは当然のことかもしれません。
そこで、完成済みの建売住宅を購入する方の間では、その住宅の引渡しを受ける前に第三者の専門家に住宅の検査(内覧会立会い、竣工検査立会いなどという)を依頼することが一般化してきており、今ではたいへん多くの方が第三者検査を利用しています。
ただ、いくら専門家といえども完成物件ではわからない点もあります。そこで、建築前の建売住宅を購入する方のメリットとして挙げられるのが、建築中のチェック(検査)ができるという点です。
これは、建築前の住宅を購入する方の特権と言っては大袈裟かもしれませんが、それほどまでに重要な機会に恵まれているということです。売主側は、よく「プラン変更できる」点を売り文句にしていることはありますが、「建築中のチェック(検査)ができる」点をアピールしていることはあまりないようです。
プラン変更は、実際にはそれほど大きな変更をできないことの方が多いだけに、本当に大きなメリットはむしろこちらの「建築中のチェック(検査)」です。
建築工事が始まれば、売主や施工する工務店が自社検査をしたり、瑕疵担保責任保険による検査が行われたりするものです。しかし、売主等の自社検査は自己都合になりがちですし、瑕疵担保責任保険による検査はかなり簡易なものです。つまり、買主側の立場を反映したものとは言えず、これだけではせっかくの建築前の建売住宅を買うメリットを逸してしまいます。
そこで、買主としては、建築中も現場へ足を運んで工事の様子を確認するなどの対応が必要です。
また、建売住宅の買主自身のチェックだけで不安であれば、第三者による建築中の住宅検査を利用してみるのも良いでしょう。今では、建築前の建売住宅を契約して、第三者に住宅検査を依頼する人が増えています。せっかくの安心できる機会を活用するには良いのではないでしょうか。建売住宅では、多くの方が利用するようになりました。
建築前の建売住宅を購入するデメリット
今度は、建築前の建売住宅を購入するときのデメリットについて考えてみましょう。
完成後の建売住宅との違いを考えればわかりやすいですね。やはり、実際に建物がないだけにイメージがわきにくいということが挙げられます。間取りは図面で確認できますが、広さをイメージしにくいことが多いです。図面に8畳と記載されていても、その広さを具体的にイメージし辛いのですね。
「こんなに狭かったのか」
「こんな色だったのか(フローリングを見て)」
上記は、建築前の住宅を購入した方の竣工検査(内覧会)に立ち会ったときに、耳にすることがある買主の一言です。広さだけではなく、意外と色もイメージと異なることが多いのです。
色や具体的な商品については、できるだけその会社が建てている別の住宅を見学させてもらうなどして、仕様の確認をしておくことをオススメします。これにより、防ぐことができることは多いです。良い不動産会社なら、自ら参考となる別の住宅を案内してくれるものです。
「イメージと違った」「思っていたものと違った」というのは、よく聞くセリフですが、大きな買い物だけにこういったことはできるだけ防いでおきたいところですね。