建築前の建売住宅を購入する際、多くの購入者は建物のプランへの意識が強く、土地に対する意識が低くなっているようです。普段から、多くの住宅購入者からご相談をお受けしておりますが、建物に関するお話が大半を占めています。
しかし、物件によっては土地についてもしっかり確認しておいて欲しいものです。
建築前の建売住宅は、販売開始時点(公式には販売を開始していなくとも個別の購入者に物件を案内していることもあるが、これも含める)で土地の造成工事中ということが少なくありません。大きな土地を造成して何棟かの住宅を建てるために土地を分割していくのですが、その造成工事の途中で購入を決めてしまうのはリスクを伴いますので、注意が必要です。
造成工事と言っても、道路を舗装していないものの、その位置や形状がほぼわかっている状態であったり、道路の形状をなしていない状態であったりと様々です。
周囲の建物との位置関係や道路関係などによっては、不動産の資産価値にも影響していきますし、その土地上に建築する建物のプランにも影響してくるものです。土地の形状や位置を正確に把握したうえで、建物のプランを検討しないと少しの建物の位置(配置)のずれが影響してしまい、日当たりなどにマイナス影響を受けることもあります。
よって、土地の造成工事が完了して、道路や分割された土地の位置関係、形状、そして造成地の周囲との関係などをしっかり確認してから、購入を決断することをお奨めします。
それでも、造成中に購入を決められる方もいらっしゃいます。不動産業者から、「他の方が先に買ってしまいますよ」といった常套文句が気になる方もいらっしゃることでしょう。そして、本当にそうなる可能性も否定はできません。
造成中にどの区画を購入するのか決めるのであれば、土地の分割図はしっかり確認しておく必要があります。造成後の簡単なイメージ図だけではなく、分割図です。分割図(他の名称の場合もある)を入手したら、まず土地や道路の寸法が記入されているのかチェックしてください。形だけで寸法が記入されていないようでは、意味がありません。
寸法は、購入を検討している土地だけではなく、周囲の区画も必要です。もちろん、道路の幅員も必要です。
ただ、繰り返しになりますが、土地の造成工事が終わってから現地で実際に造成後の状況を確認した上で、契約されることをお奨めします。