新築一戸建て住宅を購入した人が、建物の完成状態で施工ミスなどをチェックする機会を竣工検査と言います。この読み方は、「しゅんこうけんさ」です。何度も何度も家を買う人は少ないですから、この竣工検査がどういうものか、何をすればよいかわからない人も多いでしょう。
新築一戸建て住宅で行われる竣工検査の基礎知識(誰がするか?誰が立会うか?など)と実施時期(いつするか?)、専門家が同行してくれるホームインスペクションについて解説します。
新築住宅の竣工検査とは?
新築一戸建て住宅の竣工検査とは何か、基本的なことを説明します。
建物の施工精度・施工ミスのチェック
新築一戸建ての竣工検査とは、建築工事が完了した後に、建物が設計や契約通りに仕上がっているか、欠陥工事になっていないかなどを確認する重要なプロセスです。不具合が見つかった場合は、建築会社に是正工事を依頼し、補修完了後に再確認を行います。
誰がチェックするのか?
ここで説明している竣工検査は消費者が行うものですので、建売住宅であれば、買主がチェックし、注文建築であれば施主(注文主)がチェックします。ただし、建築会社が建物完成後に行う社内検査も竣工検査と言われています。
立会いする人が誰か?
住宅の買主が行う竣工検査に立ち会う人は以下のとおりです。
- 買主(注文住宅なら施主)
- 建築会社
- 売主(建売住宅の場合のみ)
- 不動産仲介業者(仲介業者が媒介した物件の場合のみ)
ただし、一部の建売業者(売主)は、建築会社に現場対応を任せて立会いしていない事例もあります。
竣工検査と完了検査との違い
竣工検査と混同されがちなものに、完了検査というものがあるので、これらの違いを説明します。
竣工検査は、消費者や建築会社が行う検査であるのに対して、完了検査は、建築基準法に基づいて行政や確認検査機関が行うものです。竣工検査では、施工精度の確認を行いますが、完了検査では法令を順守したものか確認しており、検査内容も異なります。
住宅の買主や施主にとっては、どちらも大事なものですね。
調査項目・チェックリスト
竣工検査で確認される項目、つまり調査項目は、実施する者によっても大きな差異があります。一般的には、主に外観(外壁・屋根など)や内装(床・壁・天井などの仕上げ材など)、設備(建具・サッシ・水周り)の動作状況、安全性(基礎・床下・屋根裏など)をチェックします。
以下で詳細なチェックリストを無料公開しているので、活用するとよいでしょう。
竣工検査の実施時期は引き渡し前
竣工検査は、その実施時期が重要です。いつするか?いつやるべきか?について理解しておきましょう。
建物が完成してから実施すべき
竣工検査は、その名のとおり建物が竣工、つまり完成した状態を検査するものですから、まだ工事中の段階で行うものではありません。きちんと完成してから実施しなければなりません。
外構工事を建物本体工事とは別の業者に発注する場合は、外構以外の工事が完了してから竣工検査を行うとよいでしょう。未完成の状態で竣工検査を実施しても、確認できない項目があるため、十分な検査をできないことになるでしょう。
引き渡し前に実施すべき
竣工検査は、必ず、引き渡し前に実施しなければなりません。竣工検査で指摘したことを建築会社が是正対応し、その是正結果も確認してから、引き渡しという流れです。引き渡しを先にしてしまうと、竣工検査で指摘したことをきちんと補修してもらえずにトラブルになっている事例もあるので、注意してください。
ホームインスペクション(住宅診断)
建物の劣化状態、施工ミスを一級建築士がホームインスペクターとして調査する。購入判断や建物のメンテナンスなどの参考となる。アネストは、全国の広域で経験・実績が豊富。
専門家に同行依頼するホームインスペクションが効果的
竣工検査を買主が自分たちだけで適切に乗り切ることは容易なことではありません。建築の専門知識や経験がないと、気になる症状を見つけても、それが施工不具合なのかどうか判断できないこともあります。また、指摘したことについて建築会社がから共用範囲だと言われてしまったら、それが本当かどうかわからず困惑することもあるでしょう。
買主と建築会社の知識と経験の差異が大きいため、適切に竣工検査に対応するのが難しくなっているのです。
専門家の同行で適切な竣工検査への対応ができる
そこで、建築士に第三者の立場で竣工検査に同行してもらって、施主の代わりに建物をチェックしてもらうサービスが利用されています。そのサービスが、ホームインスペクションです。
買主が行う竣工検査のことを内覧会と言うことも多いこともあり、このホームインスペクションのことを内覧会同行または内覧会立会いサービスと言うことも多いです。
専門家を同行することで、よく施工不良などが見つかる項目も含めてチェックしてもらうことができ、竣工検査に適切に対応しやすくなります。
ノウハウのあるホームインスペクション業者を選ぶべき
竣工検査で行う建物チェックは、建築士なら誰でもできるといわけではありません。以下に該当するかどうかがポイントとなります。
住宅の設計監理、現場管理といった経験を積んだ担当者であること
ノウハウ(良質なマニュアル・チェックリストなど)が蓄積された業者であること
蓄積した調査データを活用できる仕組みがあること
ホームインスペクション業者のホームページをよく確認し、また問合せして業差選びをするとよいでしょう。