一級建築士 真下裕之の住宅コラム
住宅の第三者検査について
住宅の建築工事における検査と呼ばれるものは、建築確認制度における中間検査・完了検査を始め、瑕疵担保保険制度による中間検査、フラット35の適合証明のための検査などがありますが、このような検査はほとんど建築主の立ち会いのないところで行われています。
検査や保険に要する費用も施工者や売主が負担しているものがほとんどです。言い換えればこのような検査は施工者や売主から依頼されている検査であるということであり、真の第三者による検査とは言えないと考えたほうが良いでしょう。
単に、建築基準法に照らしての検査、瑕疵保険を引き受けるための確認検査であると言えます。建築主にとって住宅の購入や建設は一生に何度も経験するものでは有りません。専門知識もなく施工者や売主の説明を受けても専門用語を理解することは難しいと思います。
ましてその内容が正しいか否かの判断はさらに難しいと思います。住宅の第三者検査というサービスは、単に品質検査を実施して、その結果を報告書として納品することだけでは依頼者の期待に答えているとは考えられません。
検査というイメージよりも、相談者あるいは解説者(業界用語の通訳といったほうが良いかもしれません)として、依頼者とともに家づくりに携わることが必要なサービスだと考えます。
建築確認制度や瑕疵担保保険制度の検査とこのようなコンサルタント的な検査は、別のサービスとしてお客様に提供する必要がありそうな気がしています。
真下裕之 一級建築士 住宅の設計・監理、ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)を行っており、埼玉・東京を中心に首都圏で活躍している。 住宅検査・住宅診断のアネスト 真下建築事務所 |
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