住宅の10年保証は信用してよいでしょうか?
新築住宅を購入するときには、ご相談と同じように「10年保証があるので大丈夫ですよ」といった説明を受けることは非常に多いです。
ここでいう10年保証は多くの場合、2000年から義務化されている建物の主要構造部分や雨漏りの防止に関する部分についての保証のことで、売主等(工務店・ハウスメーカーなど)に保証が義務化されているものです。
義務化されてからすでに10年超が経過しておりますが、残念ながら建物の欠陥・瑕疵は無くなっておりません。多くの方が欠陥問題に直面している現実があります。
保証があるということと、建物の安全性が確保されているということは全く別の問題です。また、もう1つの大きな問題は、本当に保証が実行されるかどうかです。
雨漏りの被害は、雨漏りが目視確認されれば売主等も言い逃れしにくいことですので、保証対象となりやすいものです。しかし、主要構造部の瑕疵は曖昧なために売主側と買主側で主張が食い違ってしまい、すんなりと保証してもらえないことが多いです。
買主が「構造部に瑕疵があるので補修してほしい」と求めても、売主側は「それは主要構造部の問題ではないので保証対象外です」と回答して対応しないことがよくあるということです。
実際に、何らかの建物の症状、たとえば大きなひび割れや傾きが見つかったとしても、それを直ちに構造上の瑕疵と断定できないことが多くあります。構造上の瑕疵と判断するのは簡単ではないということです。
よって、「10年保証があるから大丈夫」という販売会社の説明をそのまま鵜呑みにすることはできません。しっかりと新築工事の施工精度・品質を確認した上で購入された方が良いでしょう。購入後の方であっても、できるだけ早めに建物を点検しておかれた方が良いでしょう。住宅の点検を行っている一級建築士へ依頼することも検討してみてください。