家の修繕が大切
低成長時代の賢い生き方
日本の住宅へのリフォーム投資は少ないと言われ、GDP比で1%程度と欧州先進国の半分以下の水準です(グラフ参照)。国内でも住宅以外の分野と比較しても住宅への再投資(リフォーム)が少ないのが分かります。
一方での新築への投資が他国と遜色がないのと対照的です。日本は先進国であり続けましたが、豊かさを実感できない部分もあり、特に住宅に関してはそうではないでしょうか。また、街並みも美しいと言えるところがとても少なく、海外旅行で目にする外国の街並みにため息が出ます。美しくないものには人もお金も集まらないもので、これが地域経済の活力を削いでいる面も否めません。特徴をなくし衰退が止められない一部の地方都市はこの典型でしょう。住宅への再投資の少なさと豊かさを実感できない住宅や街並みとは因果関係があると考えられます。メンテナンスが不足した家はある時点で急速に価値を落とし損失が出るわけですから、この不経済さが積み重なればどういうことになるか考えれば分かります。
ずっと懸命に働いて稼いできた日本人ですが、家のローンなどの支出が資産として蓄積されず垂れ流されてきたとすれば、貧しいまま変わないのも当然です。経済と土地価格が右肩上がりだったから、なんとなくそのことが誤魔化されてきましたが、日本経済が低成長時代になった今、いよいよ無視できなくなっていると言えます。
図の出所:国土交通省建設白書、内閣府国民経済計算、OECD、住宅リフォーム紛争処理支援センター
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