年配の方(シニア層)の家づくりと住宅ローンの金利・返済方法等の相談事例
今回は、実際にファイナンシャルプランナー(FP)に家づくりなどの資金計画について相談に来られた方の事例をみていきましょう。
(相談者の家族構成・資金など)
夫:57歳・会社員・年収600万円
妻:56歳・専業主婦・
子3人:長男長女は既婚別居、次男は独身同居(26歳)
預貯金2,500万円
毎月の生活費25万円
- 建て替えで諸経費込2,500万円程度を考えている
- 住宅ローンを組んでも早めに返済を終わらせたい
- 住宅ローンは固定で組んで安心したい
- 預貯金が大きく減少すると将来が不安なので頭金に充てる金額を相談したい
- 家づくり後も趣味や可愛い孫にお金が使えるようにある程度のゆとりは欲しい
○相談のポイント
1、頭金充当額
退職まであと3年と迫っており退職金や再雇用の可能性が高いとは言え未確定のため保守的に考えると、預貯金2,500万円の内頭に1,500万円を充当し1,000万円を残しておくと安心できます。退職金の受け取りや再雇用が実現され家計に余裕がでれば、繰上げ返済を積極的に行う方向で考えます。
2、住宅ローンの組み方:長期固定金利?or変動金利?
年齢的に完全退職が予想される65歳までに住宅ローン返済を終了させることが目標になります。変動金利も選択肢に入りますが、奥様のリスクを取りたくないというご希望もあり10年固定を選択しました。毎月返済額は変動金利より高くなりますが、年齢的に金利上昇リスクを避けたほうが無難でしょう。
3、住宅ローンの組み方:元金均等返済?元利均等返済?
同じ住宅ローン金額・同じ返済期間・同じ金利であれば、返済総額は元金均等返済のほうが元利均等返済より総返済額は少なくなります。最初の毎月返済額は高くなりますがあと3年は現在の年収を維持できるとのことでしたので、少しでも早く元金を減らせる元金均等返済を選択しました。
4、住宅ローンの繰上げ返済
退職金受け取りや再雇用が実現すれば家計に余力ができ繰上げ返済を行うことができます。目標は完全退職予定の65歳までに住宅ローン返済を終了することですが、独身同居の次男にも少し負担してもらえればかなり可能性は高いと考えました。
- 2,500万円(諸経費込)で住宅建て替え
- 頭金は預貯金2,500万円の内、1,500万円を充当し1,000万円の預貯金を残す。
- 住宅ローンは2,500万円−1,500万円=1,000万円となり、完全退職予定年齢の65歳までに完済することを目標とし、繰上げ返済を実行することにより退職するまでに返済を完了する
- 住宅ローンは、金利変動リスクを避けるため10年固定金利を選択する。
いかがでしたでしょうか?同じ年齢で年収が同じであっても、家族構成やライフプラン=将来計画によって、家計に見合った住宅ローンの組み方は変わってきます。ネット上には様々な情報が溢れていて混乱しやすいと思いますので、自分の味方になってくれる専門家にご相談されることをおすすめします。