住宅・不動産を上手に売却するための物件見学時の注意点
○モデルルームのように綺麗に魅せる
売却活動を始めて広告に掲載されれば、それを見た購入希望者が不動産業者へ問い合わせます。そして、物件見学にご案内されます。この物件見学の際の注意点を見ていきましょう。
新築マンションのモデルルームを訪れたことはおありでしょうか?あのモデルルームは、買ってもらうためにいろいろな努力をしており、それなりにお金もかけて多くのお客様を迎えていますね。インテリアにはしっかりコストをかけているのです。「物件を良く魅せて」買ってもらうための努力をしているわけです。
実は中古住宅であっても、「良く魅せる」ことはとても大事なことです。新築マンションのモデルルームのように多くの投資をすることはできませんが、多少の手間で良く魅せることは可能です。
特に居住しながら売却活動を行うときには、生活感がにじみ出ているために購入を検討している方へ与える印象は、ここの努力や手間の差はあまりに大きく左右するものですので、十分に気を配ってください。
物件見学に来られる前に「清掃をしておく」「整理整頓をしておく」「収納内部も整理しておく」「テーブルや棚の上、玄関などにちょっとした飾りや花瓶などを置いておく」「水周りも掃除しておく(できれば風呂等の排水口も綺麗に)」といったことをしておきましょう。ちょっとした手間ですが、これで売れる価格に影響するとすればどうでしょうか?重要なことですね。
そして、「部屋の中をゆっくり見てもらって良いですよ」と一声かけておくか、鍵を不動産仲介業者に預けて外出するかして、ゆっくり見学してもらうようにしましょう。購入を検討するときに、ゆっくり見れない住宅では購入判断し辛いです。逆に購入する立場であったらどうかをよく考えてみてください。
綺麗にしたお部屋をゆっくり見て頂くことで、普段からその住宅を大事に、丁寧に使用していることを感じて頂ければ好印象です。「今まで丁寧に暮らしていたのかな」と感じてもらえるかどうかの差が大きいことをよく理解しておくと良いでしょう。
住宅は高額な買い物ですが、第1印象で購入するかどうかを判断している方は非常に多いです。その第1印象を良くするための手間を惜しまないことが自宅の売却を成功させるコツだと言えるでしょう。
余談ですが、不動産会社が中古住宅を下取り(買取り)して再販するときには、多くの場合においてリフォームしてから販売しています。それは、買主が見学に来た時の印象の違いで売れ行きが異なることを経験上、よく知っているからです。一般個人の売主が売却のために自宅をリフォームすることは少ないですし、資金的な問題もありますので、そこまでは推奨しませんが第1印象を意識してください。
○買主による住宅診断を受け入れる
中古住宅を購入希望の方が、物件を見学して気に入れば、最終判断をする前に住宅診断(ホームインスペクション)を利用する方も多いです。通常は、買主が第三者の住宅診断会社に依頼するのですが、最近では不動産仲介業者が住宅診断をしたり、診断会社を斡旋したりすることもあります。
いずれにしても、買主が住宅診断を希望した場合は、快く承諾してあげると良いでしょう。住宅診断をすることは、実は売主にもメリットがあります。最大のメリットは、売却後の瑕疵担保責任を負う可能性が下がることです。自宅を売却してから、建物の不具合などについて瑕疵担保責任を買主から求められることがあり、売主が補修しなければならず、売主のリスクとなっています。
しかし、購入前に買主が住宅診断をすることで事前に発見できる不具合が多いため、契約前に対応を検討することができます。何より、買主に安心して買ってもらうことができますね。
なかには、有利に売却するために売主が自ら住宅診断をしておき、買主にその診断結果を示そうとされる方もいらっしゃいます。これは少し難しいところがあり、買主にとっては利害関係者側の住宅診断の結果となりますので、信頼性の点で問題があります。
ですから、基本的には買主による住宅診断を売主が承諾するパターンの方がスムーズで信頼性も高まります。
ちなみに、不動産仲介業者は住宅診断をすることによって買主が購入を中止することを恐れていることが多いです。仲介業者にとっては成功報酬で仕事をしているために、購入中止になる行為を自分たちにとってリスクと考えることがあるからです。
しかし、買主の住宅診断を拒否することによって、買主が他の物件を選ぶこともあり、売主は売却の機会を失っていることもあります。売主が知らないところで、不動産仲介業者が住宅診断を拒否してしまい、知らないうちに売主が被害を受けていることもあるため、売却をはじめるときに不動産仲介業者へ「希望があれば住宅診断を受け入れていいですよ」と伝えておくと無難でしょう。
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