売却するなら知っておきたい「指定流通機構(レインズ)」のこと
不動産を売却するときには、3種類の媒介契約のなかから契約種類を選ばなければなりませんが、その選択をするための判断材料の1つとして「指定流通機構(レインズ)」のことを知っておく必要があります。そのメリットや裏事情までもです。
レインズのスペルはReinsですが、Real Estate Information Network Systemの各頭文字です。不動産情報のネットワークシステムということになります。国交大臣の認定を受けた全国で4つの指定流通機構があり、全国の不動産会社が加盟しています。この指定流通機構のことをレインズと呼んでいます。不動産会社はこのレインズに売却依頼を受けた物件情報を登録し、他の不動産会社と物件情報を共有しています。売り物件情報を業界内で共有するためのシステムと言えばよいでしょうか(他の機能もあります)。
レインズの最大のメリットが、ここに記載したように物件情報を素早く共有できることです。売主が不動産会社Aに売却を依頼したとします。そのA社が自社だけでは買主をなかなか見つけられないために、他の不動産会社B社、C社にも買主がいないか相談し、この売却物件情報を渡すことができます。ただ、これでは普段からA社と付き合いのない不動産会社には情報がまわりづらいですね。
レインズに物件情報を登録しておくことで、D社もE社もF社も、、、もっと多くの不動産会社が情報を簡単に共有することができ、売主にとっても売却機会が増えることになります。もちろん、買主にとっても数多くの不動産会社に物件紹介の依頼をしなくても良いというメリットがあります。
良いことだらけですね、、、但し、必ずしも「速やかに」情報が共有されていないことも多く、このレインズを全面的に信用すると売主も買主も機会損失を受けることもあります。
媒介契約の種類によってはレインズへの登録が義務化されていますが、これを守っていない不動産会社や営業マンも見受けられます。不動産会社の本音は、自社だけで(自分だけで)売主と買主の両方と取引して仲介手数料の収入を最大化したいと考えているからです(全ての方ではありません)。他の不動産会社に売却物件情報を早期に流してしまうと、他社が買主を見つけてくることがあるわけですが、これをリスクと考える業者がいるということです。
住宅など不動産の売却をする方は、こういった裏事情も理解してどの不動産会社に、どのような契約で依頼するか考えるよう注意しなければなりません。
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