リノベーション・リフォーム市場は意外と伸びていない
「これからはリフォームの時代」
「リフォーム市場は今後、大きく伸びる」
このようなことが言われて久しいです。
日本には、築20年や30年を超える住宅が多数存在しており、これらの住宅が大規模な修繕や改築などが必要な時期に差し掛かっているため、このようなことが言われてきました。もちろん、築10年程度でも比較的小規模なリフォーム(補修・取替え工事)のニーズが生じてくることもあります。
また最近では、「そもそも住宅を長持ちさせるべき」「欧米では築50年や100年の住宅も多い」などといった意見もあり、日本の住宅も長持ちさせるためにリフォームやリノベーションが増えていくべきだといった論調になっています。
単に建物や設備などが古くなったから、リフォームを行うというだけではなく、家族構成の変化(誕生・独立など)やより良い機能(快適さ)を求めて、間取り変更などを伴うようなリノベーションやリフォームをすることも多くあるでしょう。
いろいろな条件・事象を考慮すれば、リフォーム市場は大きく拡大していくはずだと思われます。
しかし、実際には、リノベーション・リフォーム市場はそれほど伸びていません。2009年から2013年にかけてはやや伸びているもののの、2000年から2009年にかけてはむしろ縮小しているほどです。
上記は矢野経済研究所が作成したグラフの引用(引用元)です。2009年の後は市場が回復しているのがわかりますが、2000年に比べて伸びているとは言えません。リノベーションやリフォームの市場が拡大していくべき理由はあるのですが、まだそれほどではありません。
リノベーション・リフォーム市場が伸びるからと、多くの異業種企業が参入しましたが、それほどうまくいっていないのが現状です。