今後の住宅はメンテナンスが大事!<1>
□住宅の寿命はどれくらい?
住宅の維持管理とかメンテナンスなどと言われても、あまりピンとこない方も多いのではないでしょうか。
日本の住宅は、新築して25年〜35年も経てば取り壊してしまい、新たに住宅を新築するということをしてきました。
丁寧に手入れして、お金をかけて改修・補修などをしても、25年〜35年も経てば建て替えると思えば、なかなか本腰を入れてメンテナンスしようという気持ちになれないのも理解できますね。
古くなれば建て替える、つまり、スクラップ&ビルドということを国として推し進めてきたわけです。
これは、戦後の住宅が圧倒的に不足していた時代の発想です。今の中国はこれに似たようなところがありますね。
□外国の住宅はどうなの?
戦後から今までは、住宅の質より量を追求してきた為にこのようなことになったのですが、これが日本の住文化として根付いてしまっているわけです。
しかし、アメリカやヨーロッパに目を向けると、住宅の寿命は日本とは比べ物になりません。50年〜80年、いや、100年を超える住宅も多数あります。
日本は、地震大国であると言われていますが、それだけが原因とは言えないでしょう。やはり、住文化の大きな違いや国の方針の違いが大きく影響していると思われます。
□住宅の長寿命化の為には?
日本の住宅においても、今後は長寿命化がこの国のテーマとして上がってきました。住宅の長寿命化を適切に実現していく為には、建物の丈夫さ(耐震性や耐久性)が大事だと考える方も多いことでしょう。
もちろん、建物の耐震性・耐久性も大事なのですが、それ以外にも重要なことはたくさんあります。例えば、メンテナンス(維持管理)や改修工事(リフォーム)などのし易さです。
特に、コンクリートなどの構造躯体と違い配管などの設備は修理や交換(取替え)が必要です。構造躯体の長寿命化が進めば、なお更、設備面の長寿命対応が必須となります。
そして、何よりも実際に居住する人の意識改革も必須だと言えるでしょう。
住宅を供給する側だけではなく、住宅を利用する側の意識の高まりが求められてきます。そして、適切に住宅をメンテナンスしていく為にはある程度の知識も必要だと言えるでしょう。